出版社内容情報
植物と話せる少女の冒険ミステリー
<野いばら村>の端の小屋で、4年前までオーラは母と二人で住んでいた。オーラの母は植物と話す才能を持ち、植物から薬を作り、病気やケガの人たちを献身的に助けてきた。ところが、村のお屋敷の主がある病気にかかり、その病を治せなかったことで母とオーラは孤立してしまう。結局、母もその病気で亡くなり、オーラは村人に対して心を閉ざして暮らしていた。
そしていま、謎の病気が流行しはじめ、オーラの村にも迫ってくる。オーラは、お母さんの誇りを取りもどし、大好きな庭と愛馬を守るため、母の残した手帳を手がかりに、治療薬を探す旅に出ることに・・・・・・。
【編集担当からのおすすめ情報】
植物の声をきくことができる野性的な少女オーラ。
誠実で勇敢な少年イドリス。
丘の上のお屋敷に住んでいるお嬢さまのアリアナ。
トリオ好きにはたまらないこの3人のキャラクターが、とても魅力的です。
3人それぞれが、のっぴきならない事情を抱えてこの冒険に踏み出し、最初はギクシャクしますが、次第に絆が育まれ、協力し合うことで大きな成功を成し遂げます。読後は、あたたかなものが胸いっぱいに広がりますよ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
8
物語は、ファンタジー、児童書の姿をしているが、この世で起きていることの雛型みたいだ。タイトルの「葉っぱの地図」という言葉を見たときには、可愛いタイトル、と思ったものだけれど、意味を知り、ぞっとする。だけど、別の意味もあるはず。植物の道しるべ、記されているのは、未来への希望。2024/06/28
鳩羽
7
植物をよく知り、人々の病や怪我を治していた母親は、原因不明の病で死に森に埋められた。一人残された12歳のオーラは、植物に囲まれて孤独に暮らしていたが、あるとに変な病が植物とそして人間にも流行り出していることに気づく。原因は植物にあるとされ、焼き払うように命じられるが…。オーラと、自由なならず者のブルーコートの男の子、そして疎遠になった幼馴染の女の子の三人で、病気の原因と薬を求めて冒険の旅に出る話。行きて帰りし物語の型を押さえながらも、自分の力だけでなく最後は人々の意思に希望を繋げる前向きな話でもあった。2024/05/08
Mipo
7
12歳の少女オーラは、母の死に悲しみ、怒りを覚えていた。周囲の人が母を嘘つきのペテン師と呼んでいたからだ。母の死の真相を探りたいが、人を信用できず誰かと協力できずにいる姿が真に迫る。やがて、お屋敷の少女アリアナと少年イドリスと協力するオーラ。決め手になったのは、少年が発した言葉だ。「むかしできなかったことはもう考えるな。これからできることを考えるんだ」。物語の底にあるのは、社会の不正に声を上げることの大切さ。親と子供は別人格であること。タイトルの意味がわかった時の驚き、心ある者が救われる安心。2023/10/02
Incisor
4
12歳のオーラ。母は自然や植物に精通し、その知識で村の人々の力になっていたが、謎の病で亡くなった。その病が広がり、オーラは母の残した手帳を手がかりに病の治療薬をさがす旅に出る。オーラは植物と会話する能力があるけれど人間とのかかわりには心を閉ざしている。自分本位な視点しかなかったオーラが、旅の道づれとなった少年少女とともに、追っ手を逃れ、冒険を重ねながら成長し、友情をはぐくんでいく様子がとてもよかった。病の原因、そして治療薬への道のりに植物がふんだんに登場し、ファンタジーだけど身近に感じられるところもいい。2023/08/24
まさ公
4
外国の主人公の少女は自分のことばかり言ってかんしゃくをおこし誤りもしないのに、優しい周りが助けてくれるという流れになるのだろう。お国柄なのか、自己主張の強さに魅力が半減する。2023/08/06
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- 和書
- 新国際機構論 〈上〉