小学館叢書<br> きりひと讃歌 〈上〉

小学館叢書
きりひと讃歌 〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 401p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784091971210
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0379

出版社内容情報

人間が犬の姿へと変わってしまう奇病「モンモウ病」。この病気にかかわるさまざまな登場人物の行動を通じて、手塚治虫は読者に「人間の尊厳とは何か?」という問いを投げかけている。巻末に評論家・呉智英の解説を収録。

▼第1話/六十六号室▼第2話/袋小路▼第3話/前駆症状▼第4話/陥没▼第5話/ゴルゴダの丘▼第6話/阿呆宮▼第7話/暗溝▼第8話/溶解▼第9話/狂ったメス▼第10話/栄光へのアプローチ●登場人物/小山内桐人(M大医学部付属病院医師・モンモウ病の研究を行っていたが、師である竜ケ浦の企みにより、自らモンモウ病にかかってしまい、世界各地をさまよう運命となる)、竜ケ浦(M大医学部付属病院第一内科医長・医師会の会長を目指し、モンモウ病を利用して業績を上げようと画策する)、占部(M大医学部付属病院医師・桐人とは古くからの仲だが、桐人・いずみと竜ケ浦の板挟みになって苦悩する)、いずみ(桐人の婚約者)●あらすじ/人間がだんだんと、犬か狸のような姿へと変わり果ててしまう不治の病「モンモウ病」。M大医学部付属病院では、内科医長の竜ケ浦を中心にモンモウ病の研究が行なわれている。しかしその内部では、モンモウ病についての意見が対立しており、伝染病説を説く竜ケ浦は、風土病説を唱える桐人を疎ましく思っていた。そこで竜ケ浦は、どす黒い企みを胸に、モンモウ病の論文をまとめ終わった桐人に、その患者が多数発生している犬神沢村へ発つよう勧める(第1話

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

75
手塚治虫「マンガの描き方」を読んだら、手塚治虫の漫画を読みたくなった。この漫画は、手塚治虫にしては、ユーモアもなく、かなり暗く残酷な漫画だ。劇画に嫉妬し、石森章太郎「ジュン」に嫉妬し、自分のこれまでの漫画に疑問を投げかけ生まれてきたように感じる。「バンパイヤ」のような変身を病気として追求する姿に、医学界や宗教や人種の暗部を重ね、劇画タッチに描いていく。「ジュン」のような感情をイメージで表現するようなコマ割りもある。救いのない登場人物たちは、下巻に流れ込んでいく。2023/06/27

スター

41
 登場人物が次々と悲惨な運命に見舞われる暗い作品だが、不思議な吸引力のある傑作でした。まだ上巻しか買ってないので、続きを買って読みたいです。  主人公は医師で、謎の病気『モンモウ病』をめぐって繰り広げられる医療サスペンス。医学界の暗部も垣間見える良作で、医学部出身の手塚治虫ならではの物語です。2022/07/28

しおつう

22
手塚治虫先生の隠れた名作のひとつ。顔の形が犬の様に変形し、体毛が生え、生肉が欲しくなる。いわゆる狼男伝説を犬神信仰にアレンジしたものだが、これを病気と仮定し、更に伝染病か風土病かでストーリーの展開を図っている。読み進めると当時の社会環境や医学会の状況が見えてくる。2020/11/11

剛腕伝説

14
謎の奇病【もんもう病】を巡る医療ミステリー。その病に罹ると、見た目が犬のように変わってしまい、生肉を好み、四つ足で歩き、やがて死んで行く。医大の派閥のボスの策略により、【もんもう病】に罹り、犬のようになってしまう小山内医師。手塚治虫にしか描けない大作。2022/08/05

としピース

10
手塚漫画は、コミック的要素が少なくて子どものころほとんど読まなかった。成人した以降に読んだ単行本の「ブラック・ジャック」の何冊かはすこぶる面白くて、手塚漫画をはじめて認知した思いだった。その「ブラック・ジャック」の下敷きになったような作品が医療漫画「きりひと讃歌」で、とある大学病院が舞台になっている。手塚治虫は、山崎豊子の「白い巨塔」のモデルにもなった大阪大学医学部出身の医師でもあるので、この作品で医学界の倫理観について問題提起をしている。(下巻に続く)2019/05/16

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