出版社内容情報
徳川幕府による厳しい身分制度下、権力の重圧にあえぐ者たち。多彩な人物群と雄大な構想、透徹した歴史観で綴る白土劇画の代表作であるばかりでなく、日本コミック史上に燦然と輝く名作。
▼第1章/山盗り(2)▼第2章/陣屋▼第3章/共鳴り▼第4章/見分▼第5章/突破クズシ▼第6章/朝露●主な登場人物/カムイ(厳しく差別される身分から自由を求めて脱出し、忍びと化した天才忍者だが、現在は忍びの世界から抜け出すべく逃亡中)、正助(優れた知能で社会を改革しようとする農民)●あらすじ/幕府の取り計らいによって藩の主な責任者がすべて処分され、領地も幕府の天領となってしまった日置の地。混乱の残るこの地に、新代官としてやってきたのはあの笹一角であった。しかし、彼の実体は日置藩の元次席家老の遺児・草加竜之進であり、ある事情から一角の名を名乗っているのだった。彼は、社会改革を目指す農民たちのリーダー・正助と協力し、領内再建に努力する。その結果、領内には豊かさと平穏が取り戻された。しかし、身分制度廃止、新田開発などを前提とする再建の内容は、当時の封建社会の枠を大きくはみ出すものだった。あるとき竜之進のもとに、町人請け負い新田開発のための見分通達が幕府から出される。この通達に抗議すべく江戸へ向かった竜之進や正助らが留守となった虚をついて、突然、日置を訪れた幕府見分隊の一行に、全領内は騒然となる……。●その他の登場キ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
14
後半怒涛の展開で、ヒロインのアテナが惨殺されたのは、もともと村人にの根っこにある差別感情、農民と非人の(ヘイトクライム)だった。それは村の状態が良いときには共同体としてプラスに働くが、危機的状況で尚かつ幕府の策略によって、容易に住民感情の中に村人の対立を煽ってしまう。共同体の先行きが悪いのは裏切り者の存在があるからと敵を探し出す。今のヘイトクライムと同じような状況だった。こうなってしまうと共同体は分裂するしかなく、すでに一人の知恵者でも押さえが効かなかった。2021/10/27
うぃ
1
3.0 なんていうか、ここまで読んできてかなり好感を抱いていたので、右近さんが悲しい。ちょっと原作デビルマンを思い出しちゃったよ。2017/05/10
eve.tx
0
全巻大事に持っていた。でも、すべて売ってしまった古本屋は倒産。どこにあるのか?歴史を学ぶ、それ以上に民百姓穢多非人の生活が良く描かれている。忍者や抜け忍の目線が作者の目線に近いのか?
山根正和
0
表紙カムイなのに殆ど出番無いですね・・・これもう『カムイ伝』なのか『正助伝』なのかわかんねぇな。 領主がいなくなった日置領の廃れた城に小六が入り込んでて、広間で小便するのはいいが、広間一面小便で染まってるのに部屋出て階段もビシャビシャにする尿量に草を禁じえない。一般百姓がばんばん死ぬ漫画なのにこの気違いはいつまで活躍するんですかね・・・そこで主人公補正いらないから。(指摘) アテナさんが亡くなるとは思いもよりませんでしたね・・・右近が憤って百姓を殺し倒すシーンは鬼気迫るものがあります。2013/05/11
佳蘋(よし)
0
再読