出版社内容情報
「少女まんが」の原点的傑作短編選・第2弾
とある10月・・・。住む場所も、歳も異なる少女たちは、それぞれにかけがえのない「時」を迎え、とまどい、心を揺らしながら少しずつ大人になろうとしていた・・・、やがて少女たちに訪れるのは? 伝説のコミック専門誌「COM」に発表されたオムニバス作品をはじめ、「精霊狩り」「赤ッ毛のいとこ」「みつくにの娘」などSF、コメディーからファンタジー等バラエティーに富んだ作品群は「少女まんが」に於ける混迷と萌芽の時代・1970年前後のリアルな息吹を伝える。ほかに入手困難だった青年誌掲載作品等16作を収録する必携の傑作短編集。
【編集担当からのおすすめ情報】
第1弾「ルルとミミ」の山岸凉子氏に続き、「10月の少女たち」巻末エッセイは吾妻ひでお氏が貴重な書き下ろしエッセイを寄稿。それぞれ必見です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
honoka
45
リアルタイムで擦切れるほど読んだ記憶がよみがえる。先日行った「萩尾望都SF原画展」で見る事ができた原画の作品が結構入っている。「精霊狩り」シリーズは本当に秀逸。初読みの「砂漠の幻影」はたった4頁で泣いた。でもやはり、文庫は小さいなぁ2016/05/18
neimu
38
殆どの作品を知っているし、リアルタイムで読んでいるにもかかわらず、出版社のアコギな技に引っかかって欲しくなり購入。何処にしまい込んでいるかわからないので買った方が早いっていうのもあるけれど、若い頃に読んだ作品には自分の若さ、当時の思い出、様々なことが一緒くたになって読み込まれてしまうんだよね、自然に。だから、アップテンポのリズム感が何とも心地よい、モー様の若かりし頃の作品。やっぱりいいなあ。絵の成長ぶりもねえ。ストーリー構成の確かさは、さすが。2012/10/15
ぐっち
15
帯の吾妻ひでおさんの「・・・はい、今、日本全国からのブーイングが聞こえてきましたが…」に笑ってしまい購入。精霊はのちのバンパネラにつながるのかな。「赤っ毛のいとこ」も楽しい。それにしても「デクノボウ」のネーム途中の望都サマすごい! 望都サマの「S・Fかいていいですか」に「ダメ!読者受けしないだろ」と返す編集サンもすごい!2012/10/27
混沌工房
12
『一度きりの大泉の話』読後に『精霊狩り』を再読したくなって本棚を探索したが見つからず、手放しちゃったのかなーどうしようかなーと思っていたら、出先のブックオフで本書を発見、即ゲット。『精霊狩り』とともに、再読したいと思っていた『赤ッ毛のいとこ』も収録されていて、個人的にお得感満載。『十年目の毬絵』のラストシーンが好き…「あらゆる可能性 あらゆる奇跡 手をにぎり合い 完全な円を構成していた そしてその円は 外宇宙へ向かって 無限に広がっていた」2022/09/09
あつ子🐈⬛
10
超能力者狩りから逃走する少年の運命を描いたSF『あそび玉』と、夏目漱石の『こゝろ』を彷彿させるような三人の男女の心情を哀しく描いた『十年目の毬絵』、狼の恋情が城主を破滅させるダークファンタジー『月蝕』が大好き。萩尾センセはコメディよりシリアスの方が私は好きです。2022/10/03