出版社内容情報
萩尾望都のSFファンタジー全6編。
惑星開発プロジェクトにやってきたアディは事故死した本体にかわり配属されたクローンだった…!宇宙を舞台に、変異種ゆえの悲哀と愛を描いた表題作はじめ「X+Y」「4/4カトルカース」の連作を含む全6編。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そらねこ
32
久しぶりに再読。最近BLばかり読んでる私としてはやっぱり気になったのは「Ⅹ+Y」「君は美しい瞳」なんですけども、男性同士…だから=BLと呼べるかというと躊躇います。君は美しい瞳はJUNEに掲載されててもおかしくない耽美な短編ですし、X+YはSFながらモリのタクトへの気持ちが共鳴とトラウマと共に語られ、甘酸っぱくて良い♡更にタクトが自閉症気味の頑なな真面目さを持っていて…萩尾さんってこうした人間の描写力が本当に素晴らしい。2017/09/09
毒兎真暗ミサ【副長】
25
無重力の中で死に別れ、また出会う。異種の美少女のクローンに、恋をしていたレグの動揺。星の雪崩にのみ込まれながら、AとA'の答えに気づいて……反転。その面影を抱きながら恋はループして、絹のドレスの裾が異空間で揺れ続ける。その端を離せないまま。だけど手繰りよせもできないまま、心は。ヤジロベーの端と端。バランスを崩して口づけした途端、消えてしまう泡沫。そんな6旅の流星群。2024/02/12
ふりや
18
やっぱり萩尾望都さんのSFは最高です!今作は今まで読んできた短編集の中でも特に素晴らしく、印象深い物ばかりでした。表題作の『A-A'』や『ユニコーンの夢』は短編としては「完璧」と言ってよい程の完成度ではないでしょうか。もちろん他の作品も甲乙付けがたい傑作揃いで、読み応えがあります。地球と宇宙、人間とクローン、異性愛と同性愛、SFとファンタジー…あらゆる壁を軽々と飛び越えてしまう著者の筆力にはもはや舌を巻くしかありません。額に収めて飾っておきたくなるような美しい表紙にも思わずホレボレしてしまいます。2019/11/16
ちゃっぴー
18
SF短編集。萩尾望都先生。さすがでございます。一角獣種の連作。「A-A'」のラストが何とも切なくきゅん。レイ・ブラッドベリを読んだのも萩尾作品がきっかけでした。2019/08/29
阿部義彦
15
エーエーダッシュは名前だけ知ってたけど未読でした。連作短編となっていて赤毛の一角獣族たちの遍歴とエスパーの少年モリを巡る物語。性転換のアイディアは11人いる!のフロルでも使われていましたね。最初のエーエーダッシュが導入部となりそれから時間を置いてモリを主体とした物語を構成したのですね。あらかじめクローンを造って危険な任務につく最初の話、因果が巡り二世代に渡る恋の集合無意識の連鎖か、スケールでかい、やられました。流石私の半分はSFで出来ていると言い切る萩尾さんです。2016/03/20