出版社内容情報
西暦2999年。人々は生殖能力を失い、世界はただ1人の聖母マザによって形づくられていた。そのマザ暗殺から始まる傑作SF!
西暦2999年、世界は静かな消滅に向かっていた。人々は生殖能力を失い、ただ1人の聖母と信じられているマザが暗殺されてしまう。暗殺者グリンジャと疫病神と恐れられるアシジンは「夢の子供」キラに出会うが…!
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
31
かつて、連載を追いかけ、単行本も持っていたのだけど。今回は文庫で再入手。うん。このSFと砂漠の遊牧民族の感じは、ル=グウィンをさらにクオリティを上げたような感じ。1巻目では、西暦2999年ということは判るが、この地球に何が起こって、一人のマザと短命な男だけの世界になっているのかの謎は明かされず。何しろ、絵が繊細で美しい。最初は真っ白だったキラがだんだん、自我を持っていく感じが良い。2025/06/03
だいだい(橙)
27
久しぶりに再読しました。世界観が独特でほんとよくできてると思います。キラ、グリンジャ、アシジンだけでなく、マルグレーブやセンターのみんな、図書の者たちなど、脇役のキャラの描き分けが見事。共同体で育っていないので本能で行動するキラから目が離せません。2024/03/24
yumiha
20
本棚の奥からいきなり出現。購入した時に読んだはずだから、たぶん再読。でも、な~んも記憶が蘇らない。まるで初読のような気分。「マージナル」は、経済書で見て調べた言葉。「周縁」つまり、中心「センター」の対極にあるもの、ちゅうことか?ミツバチのような男だけの世界は、いま流行のBLみたひ。謎ばかりいっぱいで、前ページに戻っては確かめながら読んでいる。2016/02/12
KAMAKURA
10
西暦2999年、地球は男色家が蔓延る極限世界(マージナル・ワールド)と化していた。 あまり馴染みのない少女漫画のタッチと男色描写に心が折れそうになりながらも読み進めるとおぼろげながらも『マージナル』の世界観が見えてきた。この漫画をボーイズラブ系少女漫画として読まずにいるのはもったいないぐらいの壮大なスケール感がある。 読みながら『進撃の巨人』っぽいなぁと思ったけど、こういう漫画が1985年に描かれたんだから凄い…。 さぁ物語の伏線は張り巡らされた。ここからどう回収していくのかが楽しみ。2020/04/27
袖崎いたる
8
男同士が自然とちょめちょめできるファンタジーの世界観ってのはだいたい深いことを語ってくれる。いや、萩尾望都だからか!相変わらず読んでいてヘビーなので、読者としては沈黙させられる。何かを語るそぶりを見せようとすれば、ホントにええのん?ーーと別の視角が去来する。複雑なようで単純な。単純だからこその複雑さで。2019/01/18