出版社内容情報
血とバラのエッセンス、そして愛する人間を仲間に加えながら、バンパネラ達は永遠の時を生きる。少女まんが史に残る歴史的名作。
18世紀中頃、ポーの村。森に捨てられたエドガーとメリーベルは老ハンナ・ポーに拾われ、彼女の手で幸せに育てられていた。だが、バンパネラの秘密の儀式を見てしまったエドガーは…。名編「メリーベルと銀のばら」、その家系に繰り返し現れる2つの名前に隠された謎「エヴァンズの遺書」、バンパネラの追跡者を生みだした1934年の魔法の夜「ホームズの帽子」など4編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
96
全3巻のうち、この2巻だけはすごく引き込まれるものがあって面白かった。舞台は18世紀中頃。森に捨てられていたエドガーとメリーベルを連れ帰った老女ハンナ・ポーに育てられ成長した兄妹の、その後の行く末を描いている。バンパネラの秘密、儀式、ある家系に繰り返し登場する二つの名前、そこに隠された真実、などなどミステリ感覚で読み応えがあった。そして詩的な美しさがとても悲しい。2013/11/14
mii22.
51
再読。アランってこんな性格だったかなぁと、月日がたつにつれ自分の中で記憶が書き替えられていたんだなぁと感じた。2021/05/05
ちゃりんこママ
51
ユーシスの登場に心を奪われたのを思い出した「メリーベルと銀のばら」。儚げな金髪ロン毛の美少年がハープを弾くなんて、ユーシス前には無かったこと。お目に掛かった事のないような美しいキャラクターや、エヴァンズ家の家族相関図も目新しかった。呼吸して動いてるような絵に心酔していました。「エヴァンズの遺書」は『砂糖菓子のような』メリーベルの印象が以前と変わったので、これも賛否ありましたが、今見ると最初にあまりにも儚く消えてしまうメリーベルのキャラクターは徐々に掘り下げられていたんだ、と気づきます。2014/07/26
Y2K☮
36
不死の吸血鬼バンパネラを巡るサーガ。金髪に慣れ過ぎたか黒髪のマドンナやリンダに惹かれた。頭で計算して捻り出したストーリーではなく、ミケランジェロ的に大理石の中から取り出した「キャラが勝手に動く」の正しい形。計算しないのは思考の上限を超えた直観であり、筆の向くままに漫然と創るわけじゃない。左脳で必死に組み上げた梯子を飛び越えて右脳で到達? 我々凡人は分かっていてもできないが萩尾望都は教わらずに普通に実践し、しかも芸術&商業的に成功できる小畑健「バクマン」の新妻エイジ型。戦慄のナチュラル・ボーン・クラシック。2016/05/09
kagetrasama-aoi(葵・橘)
33
第二巻。「メリーベルと銀のばら」「エヴァンズの遺書」「ピカデリー7時」「ホームズの帽子」の四編。丁寧に読まなければ、時代が前後するので、登場人物の血縁とか色々が分かりにくい!歳取ったなぁと実感しました。「メリーベル~」とそれに続く「エヴァンズ~」はこのポーの一族の話の核になる部分、込み合った構成が素晴らしいと思います。登場する女の子の「あんな綺麗な子が田舎にいるとは思わなかったわフフ まよってしまう」の言い回しが懐かしいです。2021/01/09