出版社内容情報
昔々、天女が地上に降り来たり、神官の息子と夫婦になった……。伝説的な由来をもつ叶家の娘・小夜子が街に帰ってきた。17歳。凄絶な美貌。地に囚われた自らの運命を呪う少女。そして転入先の高校には、叶家の財をねらう遠野家の暁と涼がいた。陰謀渦巻くこの街で、小夜子の領域を侵す者が次々に死んでゆく。青春の白日夢にも似た、吉田秋生の幻想綺譚。
伝説的な由来をもつ、叶小夜子が帰ってきた。１７歳、凄絶な美貌。転入先の高校には、叶家の財をねらう遠野家の暁と涼がいた。陰謀渦巻くこの街で、小夜子の領域を侵す者が次々に死んでゆく…。吉田秋生の幻想ロマン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかは
42
美人、麗人といわれる高校生小夜子が帰ってくるところからはじまる。ただのお嬢様ではない小夜子。ミステリアスな雰囲気が不穏なものに変わり、とうとう彼女の周囲で死者がでる。彼女の行き着く先とは？普通の高校生達の中で彼女だけが浮き上がる、幻想的な話。2014/11/26
明智紫苑
19
『金と銀のカノン』とは対照的な、メインヒロインとサブヒロインの関係性。メインヒロイン小夜子は『カノン』の真澄にも負けず劣らず「魔性の女」だが、サブヒロイン由似子は『カノン』の容子よりもその善良さにリアリティがある。男性キャラクターたちが彼女たちと絡む辺りも『カノン』に似ている気がするが、ヒロインコンビの関係性は『カノン』の二人のアンチテーゼだ。真澄は容子に激しく嫉妬したが、小夜子は由似子の健全な平凡さを内心うらやむ。小夜子と真澄とでは、「ないものねだり」の方向性が全く違うのだ。2025/04/09
十六夜（いざよい）
18
昔々、天女が地上に降り来たり、 神官の息子と夫婦になった……。 伝説的な由来をもつ 叶家の娘・小夜子が街に帰ってきた。 17歳。凄絶な美貌。 地に囚われた自らの運命を呪う少女。 そして転入先の高校には、 叶家の財をねらう遠野家の暁と涼がいた。 陰謀渦巻くこの街で、 小夜子の領域を侵す者が次々に死んでゆく。 青春の白日夢にも似た吉田秋生の幻想綺譚。2015/09/09
アイアイ
16
魔性の美をもった転校生の小夜子の復讐の物語。男も女も魅了する小夜子の日常は常に狙われており、同級生の由似子のなごやかな世界を羨む彼女が切ない。 スケバンって単語が出てくる世代の漫画を初めて読んだ。女だからこその攻撃を熟知してる小夜子さんカッコいい。 ▽図書館2015/05/24
あぶらや
15
女たらしのチャラい高校生の涼やその仲間達、それを嫌悪する同級生の由似子。そんな高校の日常が美人転校生の小夜子の暴力的なものに対抗する行動により変化していく。物語の緊迫感が少しずつ加速していく。2023/03/13
