内容説明
“お国のため”と産んだ子供が六人。そしてまた妊娠。「戦争も終ったし、今度だけは取ってのけよう(中絶)」と思っていた母・イクしゃん。「まあ、今度まで産んでみらんか」と父・嘉元さん。危機一髪、危ういところでこの世に生を受けた武田鉄矢。イクしゃんは子供の甘えを徹底的に排した。鉄矢が幾多の困難を乗り越えてこれたのも、この教育があったからこそだ。母子の情愛を涙と笑いで見事に描き切った武田鉄矢の自伝的物語。
目次
第1章 少年時代―煙草屋の母と子
第2章 青春から朱夏へ―恋とフォークと博多の街
第3章 旅立ち―福岡教育大学と海援隊の夢
第4章 思えば遠くへ―結婚、そして東京の街角で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきひろ
2
『素敵』の一言につきます。少年時代から青年期にかけての体験、親子関係、そして仲間たち。魅力的な武田鉄矢さんの体験記は本当におもしろかったです。自分もいい顔して読んでいたと思います!『素敵』な話がいっぱい記載されてますのでオススメです。2014/11/05
こけこ
1
師匠に勧められて読んだ。正直タレント本だと思って侮っていました。ゴメンなさい。著者は文才がある。ちょっとした事も、いちいち面白可笑しく書いてある。1章は時々読むのが辛くなる時もあったが、2章以降はスラスラと読み進められた。色々な人が世の中いるもんだなぁ。声を挙げて大笑いしたり、しんみり涙ぐんだり、忙しい本である。2019/06/14
廿五里
0
ただ私は恋がしたかった。良作。もう一回読める。
ひよ子
0
入院中に、病院の本棚から拝借して、読了。文がとても読みやすかったし、中学生、高校生、大学生、上京――と順を追って書かれているので、成長記としても読めて、とても読みやすかったです。少年時代の初恋など、今とは全然違うと思うのですが、とてもいい時代だったんだなあと思いました。同世代の人はきっと、懐かしく感じるのではないでしょうか。チューリップや井上陽水さんなどフォークのミュージシャンの名前もたくさん出てきます。あまりフォークを知らなく、武田さんのことも金八先生のイメージしかなかったのですが、楽しめました。2012/05/13
owawamure
0
たいへんな名著だと思う。単語の選び方、当時の感情の描き方、そしてなにより、ひとつひとつの挿話のオチのつけかたが素晴らしい。想像とは全く違い、母へのべたべたした愛情にまみれているわけではない。特に、聾学校の菊川先生のエピソードは素晴らしい。2012/02/13