出版社内容情報
1968ベトナム。二人の恋は虐殺の村へ…
1968年、テト(旧正月)攻勢。大激戦のフエ王宮には米陸軍のライトニング、その部下チビネコ、ベトコン武闘派僧侶ズオンと彼が育てた少女ノル。彼らの想像を絶する戦い。その果てに生き残ったのは誰か? そして、場面は変わり、南ベトナムのとある村。そこに現れたのは、ベトナム残留日本兵ヤスクニ提督とそしてもう一人……!! 誰!? そして、この村でこれから起こる「世界を震撼させた惨劇」とは!?
【編集担当からのおすすめ情報】
お待たせしました!たっぷり2年ぶりに出ます、完全描き下ろしによる[ディエンビエンフー]第10集!! 3・11震災後、広島に移り住んだ西島氏が現代の日本と1960年代のベトナムのことをいっぺんに考え、絶望と混乱と希望のごちゃまぜの中から紡ぎ出した物語です!! 進化した[ディエンビエンフー]を、今、読んでください!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
神太郎
24
ソンミ村の、大虐殺。可愛らしい絵の中に狂気と狂喜が入り交じっている。残酷なことと分かっていても、どこかでネジが外れてしまっているのだ。愛を知ったノルさんの言うことは正しい。しかし、先生にとってはやはり、ライトニングさんは敵であり、それと寝たら。いくら娘だとしても許せなかった。それほどまでに憎しみが、狂気が人々のこころに深く根差してしまったのか……。ヒカル遂に精神発狂手前まで追い込まれてしまう。ぽけ。は可愛いけど、人間追い詰められたらこうなっちゃうよなぁと。リアルに物事をとらえた作りになっている。2020/09/10
多田幾多
21
2年ぶり?のディエンビエンフー。今回はもうただただ「絶望」の回だったな。とにかく、主要キャラが死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!これでもかってなくらい死ぬ。そして、久々のヒカルくんが、さらに堕ちていく…… そんなヒカルを救えるのは、プリンセスただ一人……2013/11/08
眠る山猫屋
15
ゴーストだったヒカルがたどり着いた安寧の村、そこがソンミ村だったとは・・・。小三連華やヤスクニとの再会したのも束の間、狂気が近づく。ズオンやノル、ライトニングとチビネコも狂気に呑み込まれた今、お婆ちゃんとプランセスしか残っていないのだなぁ。あ、バオが生きてた!2017/04/20
流之助
8
心を失う。ヒカリを失う。目の奥は闇。2020/02/11
123456789wanko
5
ついに最新刊登場。ヒカルとプランセスは出会えるのか?ぼくらはベトナム戦争の結果を知っている。だから、この虐殺が止まらないことも知っている。それでもまだ幼い少年少女たちの死に、胸は痛む。「ただの仕事さ」と、ある兵士は言う。またある兵士は言う「われわれではない、ベトナムこそが異常なのだ」。果たしてそうだろうか?2013/11/11