出版社内容情報
本当に描きたいもの…って何!?
漫画家・上田としこ。1917年(大正六)生まれ、2008年(平成二〇)没。
「漫画家は屑拾いと同じだ。世の中の色々なことを拾って心に溜めておかなくちゃならない」
漫画家・近藤日出造に言われた上田としこ。
“世間知らずのお嬢さん”は屑拾いをし始める。満州の地で、女一人、働き始める。
【編集担当からのおすすめ情報】
この度、本作が第43回日本漫画家協会賞 優秀賞を受賞いたしました!第3集は、戦時下の日本及び満州で、漫画どころではない状況で漫画家の卵・上田としこがどう生きていくかを描いています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みんにゃりん
12
弦田英太郎氏が描いた上田としこさんの絵は実在するのかな?舞台は再びハルピンへ。満州鉄道で働いておられた頃のお話。2015/07/07
もくもく
10
この時代の職業婦人の社会的地位ってのに思いを馳せながら読了です。それでも当時の日本のフロンティアである満州では、過去の因習にとらわれることなく、最先端の考え方で企業運営をして行こうと思っていたんだろうなぁ。そんな地で育った「とし子」だからこそ、自立する職業婦人を目指すことができるような気がします。早く続きが出ないかな~2014/11/03
ジロリン
10
なかなかマンガ家物語が始まりませんね。職場での活躍を描くなど「上田とし子」というマンガ家(に将来はなる)人間が、いかに形成されていったかを丁寧に描いてる段階というところでしょうか。そこここに暗い影を落としてはいるものの、主人公を取り巻く世界にはまだまだ戦争は遠いところの話のようです。まさかこのまま終戦ということはないでしょうね。いや、ヒトの不幸を望んでるわけじゃありませんが(笑)2014/08/31
テイネハイランド
8
図書館本。全10巻シリーズの3巻目。物語で描かれている時代は昭和17年(1942)6月~昭和18年(1943)6月頃。漫画家修行を一時中断し父の住む満州国・ハルビンに戻ったヒロイン(上田敏子)。本巻では彼女が父のコネで南満州鉄道ハルビン支局で働く様子が描かれています。2022/09/18
Mc6ρ助
7
高橋源一郎さん「これは、アレだな」で紹介されていて、たまたま漫画アプリの期間限定無料公開でここまで読む。「フイチンさん」を書いた上田としこ大姉の伝記を村上もとかさんが綴る。これではこのあとを追いかけざるをえまい!2022/08/12