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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
68
ドラマ版を見たときに原作は更に面白いんだろうなと思っていたけれど、凄まじいほどの集中力で渾身の想いが込められていて圧巻。環境破壊や戦争といった大きな問題から、家族、友人、社会生活と、多岐に渡る問題を改めて考え、反省し、感謝して大切にすることのきっかけとなる種が沢山込められた素晴らしい作品だった。物語はもちろん、祖父江さんがブックデザインで演出してくれた効果も相まって、見事なエンターテインメントとして結実した完全版が読めたことに陶然と酔いしれた。2019/01/03
∃.狂茶党
12
完結。とはいえ物語は終わってなくて、再生への希望がわずかに差し込んできたところで終わる。 『十五少年漂流記』パターンの一つの作品です。 楳図は『蝿の王』を意識していたのかもしれない。 人類に対する警告として物語は編まれており、そこに作者の懸念、怒りを読み取ることができるだろう。 1972年は、日本が破滅の予感に包まれ出した頃であり、同時多発的に週末を意識させる作品がいくつか生み出されている。 2024/02/04
Kenji
7
子供の頃に読んだけどすげー怖かったな〜ってことを思い出して思わず購入。 今読むと、わけわからん生物や怪虫より人間の大人が一番怖い。 現実を直視できない大人から真っ先に気が狂ってしまう。 3巻で西ノ島に海底火山が噴火して新しい島ができるってシーンがあるけど、偶然なのこれ? もうすぐ漫画の世界観の世の中になっていくのであろうか・・・2015/03/29
ジロリン
6
…という訳で息をもつかせぬ展開、という事もあり一気に再読終了。必死に〈生き抜こう〉とする小学生達の姿に今さらながら目頭が熱くなる。そして彼らが時空を超えたのはそういう意味だったのか!と納得させる見事なエンディング…人は二種類に分けられる〈「漂流教室」を読んだことがある者と読んだことがない者〉だ!(今更ながら、ちょいと興奮気味w)2024/11/07
夏夏
6
【とんでもない状況の中では、人は人じゃいられなくなる】未来への漂流というSFだが、そこでの争いは、主に人間同士の争い。未来人との戦いもあるけど、大人対子供や、大半は子供同士の戦い。(大友君は極悪すぎるし、それ許しちゃう翔ちゃんどんなだよ。)そして凄い勢いで、人が死にまくる。死んだ!とか言ってすぐ死ぬ。設定だけでなく、展開も含めて夢の中の世界の様な作品。息子を助けるため未来に希望を送り続けた母、それが無ければ生き残ることはできなかっただろう。遠く離れ離れでも一緒に生き続けていくという希望を感じる最後でした。2021/06/12