感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かっぱ
39
「人間交差点」が弘兼憲史作品で一番好きな作品と断言できるようになってきた。ただし原作・矢島正雄となっていて原作者ありの作品です。ツバメが舞う季節に表題作の「つばめ」。BB弾(?)でツバメを撃つ心を病んだ青年。彼の心は文字通りに裸になることで外の世界に明るく解き放たれる。弘兼さんの「黄昏流星群」はいかにも中年男のセックスへの妄想っぽいところがあるが、「人間交差点」にはぐっと心に迫るものがある。つまり同じ創作であっても、こちらの方が多くの読者にとっての実人生により近いということ。2018/06/19