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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
18
絶望を知る者同士が重なり合う時、絶望と絶望は化学反応を起こし希望へと姿を変えるのか、それとも単なる足し算(もしくは掛け算)となって絶望を肥大化させてしまうのか。虐げる者と虐げられる者というパワーバランスが揺らぐ事態は、微かな希望を感じさせはする。しかし理解しようと、あるいは救おうと近付けば近付くほど、見えなかった事柄が見えてくる。それは幸福を招くのか、それとも不幸を呼ぶのか。白と黒による世界の反転は、シンプルかつ易しいがゆえに残酷さを伴う。2024/01/27
ozoz
9
髪ひとすじ、衣の先まで美しい世界。切なさに満ちた世界に幼い少女。気高く美しい黒髪と、その口調にすっかりひたる。この世界観唯一無二。2024/02/03
miaou_u
9
残虐非道な月光王と、幼い妃の出会い編。いつの世も、最初に犠牲となるのは女性と子供だ。中村明日美子さんのX(旧Twitter)を拝見していると、時折、世の中、世界への強い怒りが伝わってきます。そんな想いが、中村明日美子さんの世界観から作品から、噴出しているかのようです。2024/01/28
にぃと
7
美麗ながら獰猛な王とそんな彼に征服された国から嫁いできた幼き王妃とか心を通わせていく物語、というといかにも定番っぽいがキャラクターの魅力と描写がそんじょそこらの作品とは違う面白さになっている。最初は堅物かと思われてた王妃さまが表情豊かになっていくのも、コミックス1冊以上のボリュームがあるように感じられる。毎巻読むたびに続きが気になるが、なかなか刊行ペースがゆっくりなので待ち遠しい。2024/01/21
真霜
3
愈々玉座を手中に収めた王は、銀の髪を月の光に照らしながら侵略と略奪を拡げてゆきます。或る時、海沿いの近隣国から捧げられた美しい妃はまだ幼い少女。未熟ながらも既に気高さを秘めている彼女は、孤独の中敵国にて凛とした姿で立ち回ります。形だけの夫婦であった王と妃は歪みを抱えながらもどこか似た者同士なにおいを漂わせ、いつしか少しずつ寄り添うように。清と濁は隣り合わせ、な美しくも醜くもなこの御伽噺の核は「2人の男と1人の女」なのだろうなと改めて感じました。すでに僅かながら掲げられている結末への行方が気になります。2024/01/29