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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
55
東日本大震災以降福島出身というだけでいろいろとバイアスが掛かっていて原発事故避難者の48%がPTSDに苦しんでいるという記述に驚愕した。異常すぎる。特に沿岸部の人の気持ちを考えると切なくなる。震災当時仙台にいて仕事で関わる人も大きく被災をしたり、親族を亡くしたりという話は絶え間なく聞こえてきて、特に海岸に近い方の想いは尋常ではないことを理解している。震災から10年経ってもとあるが、苦しんでいる人がまだ多数いることは想像できるのだ。それ位酷かったということ。寄り添う気持ちが本当に大事だと切実に思う。2022/11/30
かっぱ
32
「PTSD②~⑤」、「パーソナリティ障害①」を収録。◇いままで、出身地を福島県相馬市と言えなかった冬堂。父母を津波で失い、横浜に住む姉の強い勧めもあって被災地を離れて東京で暮らすことになったが、ふいにあの日のことが思い出されて精神にざわめきが。冬堂「俺は…ひとりだけ逃げたんだ…!全部捨てて…!」、弱井「本当にそうでしょうか?」、「今もこんなに苦しみと戦っているじゃないですか」。幼馴染との再会。「こんなに離れてたのに…同じ気持ちを抱えていたんだな…」。◇パーソナリティ障害疑いの風花から弱井に大量のメールが。2023/06/05
ふぅわん
30
【人には生きる価値がある】PTSDがテーマ。舞台は福島県相馬市。東日本大震災をPTSDに繋げて描くとは!この著者がとても気になる。泣かずに読める人は居るのか。人は本当に助けて欲しいときに気持ちをさらけ出せる人と曝け出すことができない人に分かれる。だから言葉にできない人は自傷行為、過食、浪費、深酒など行動でSOSを表す。私はどっちのタイプだろう。自分自身の状況を第三者にみてもらっておくのもはありだなあ。過去の思い出、トラウマの中にある楽しい思い出を含め、辛さも語り合える本音で話し合える人、それこそが救い。2025/05/31
トラシショウ。
26
「でも先生・・・俺だってあれは災害で・・・どうしようもなかった事位解ってるんですよ。今更・・・」「理解が出来たからと言って、心が平気な訳ではありませんよ」。積読消化。東日本大震災に直面しながらも、福島出身である事を秘めて都会で生きていた青年・冬室のPTSDを巡る顛末から、刹那的な日常を浪費するバー店員のパーソナリティ障害編の導入まで。未だ被災者の人々の心に大きな爪痕を残す災害の行く末の話は正直かなり重い。けれども、これが被災者のリアル、と言う事なんだろう。実に読み応えのある内容(以下コメ欄に余談)。2021/04/20
ひより
23
東日本大震災によるPTSD。 「放置されたトラウマが自然治癒することはありません。安全で安心できると感じた場所で記憶を語ることによって初めてトラウマは過去のものになる…」 忘れようと努力して記憶の奥底に閉じ込めてもダメなのね。 涙が出た。2024/05/25