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出版社内容情報
俺は下りる 生きて家族のもとへ帰るんだ──。
K2東壁に単独で挑んだ文太郎は、遂に人類未踏の領域に到達。しかし悪天候が兆した…。文太郎は撤退を決意。だが生還を焦ったことで、“死の領域"で重大なミスを犯してしまう。極限の雪山で文太郎が迎えた運命とは!? 現代に生きる「加藤文太郎」の生き様を描いた山岳ロマン、遂に完結!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いわし
44
昭和初期の偉大な登山家、加藤文太郎の生涯を描いた浅田次郎の同名小説を原案とする登山漫画。小説とは時代が異なり21世紀、ロック・クライミングが気軽に楽しめて、単独行を行う人もそれなりに増えた現代を、伝説のクライマーはどのように生きるのか。淡々と、そして厳粛に登山描写が続くイメージがあったけど、青春モノっぽい導入から山に魅せられた末、愛する女性と出会う起伏の激しい展開に、いくつもの山を登ったような充足感と徒労感を得た。なぜ、山にのぼるのか。その答えが垣間見えたような気がするし、やっぱり理解できない気もする。2022/12/08
眠る山猫屋
15
とうとう完結。原作とは違う終わり方だったようだが、むしろ好ましいのではないか。不死身の加藤文太郎は死んでしまったが、ああでもしないと、文太郎は命を失うまで雪山に魅せられていただろうし。森文太郎として結んだ雪山との契約。彼は遂行したのだとも言えなくはないよね。素晴らしい作品でした。2013/10/25
eihuji
10
全17巻一気読み。アルパイン・クライミング物と云えば 村上もとか「岳人列伝」、夢枕獏・谷口ジロー「神々の山嶺」くらいしか僕には思い当たらないがどちらも傑作だ。「孤高の人」の心理描写はそれらに肉薄する。専門用語も効果的に使用されクライムテクニックの表現に至っては前二者すら凌駕する場面が見られる。ただ、物語半ばで主人公のcharacterに似て非なる改変が施されたり、序盤の伏線回収を後半に無理やり捻じ込む唐突感があったりするなど不安定な印象が否めないのが残念。 2017/12/25
茶ま太
7
完結。いろいろと鮮烈な漫画だったなあ。山漫画としては『神々の山嶺』に次ぐ完成度になったと思う。ラストの3・11とのクロスオーバー描写については・・・うーん。あとがきを読んで史実や原作などのバックボーンを踏まえれば理解できなくはないけど、私は正直言うと違和感を感じてしまった。あの光景のコマを見たとき、急に現実に引き戻されて純粋に漫画作品として読めなくなってしまったんだよね。私だけなのかもしれないけど。 ただ、「表現者として自分の作品にあの衝撃を描かなければならない」という心中は、わかる気がする。2011/11/18
コジターレ
5
全巻読了。文太郎は「孤高」であり続けた。しかし、さまざまな人との出会い、尊厳を軽んじられる環境に身を置くこと、人への信頼と裏切られる体験、家族を持つことなどによって、「孤高」の質が変わったいったように感じられた。一度何かに取り憑かれてしまったら、運命に逆らうことはできないのかもしれないけれど、その運命と共にどう生きるかは選択できる。その選択の積み重ねが「孤高」の質を変えたのではないか。また、昨今軽視されがちな「全力で生きること」の大切さを伝える漫画でもあるように思えた。2024/07/07
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