出版社内容情報
今流行のマインドフルネス。その正体は現代風の瞑想でも伝統の坐禅でもない。それは日本人にとってブッダ直の教え、最後の鍵。全容を理解するとき、あなたは全く新しい死生観と真の癒しを手にする。
山下 良道[ヤマシタ リョウドウ]
著・文・その他
内容説明
マインドフルネスと禅どちらも修行して熟知する唯一の日本人仏教僧が、わが国の精神文化に訪れた800年ぶりのバージョンアップをやさしく解説!
目次
第1章 マインドフルネスと出合う
第2章 マインドフルネスが日本に来た意味
第3章 道元とマインドフルネス
第4章 禅とマインドフルネス
第5章 慈悲とマインドフルネス
第6章 「マインドフルネス×禅」と生死のこと
著者等紹介
山下良道[ヤマシタリョウドウ]
スダンマチャーラ比丘。1956年、東京生れ。鎌倉一法庵住職。東京外国語大学仏語科卒業。大学卒業後、曹洞宗僧侶となり1988年アメリカのヴァレー禅堂で布教、のち京都曹洞禅センター、渓声禅堂で坐禅指導。2001年ミャンマーで具足戒を受け比丘になる。2006年帰国後、現在は「ワンダルマ仏教僧」として鎌倉一法庵を拠点に国内外で坐禅指導を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ryosuke Kojika
7
永井均との鼎談本で「マインドフルネス」なるものを知り、とりあえず興味が先行してこっちを先に読了。iPhoneのヘルスケアにもあるとは知らず。そんなに市民権を得ているのか。「私」ではない〈私〉を認識する手立てとは如何に。宗教家として救済者らしい語り口。2020/03/10
まいこ
6
雑念とか妄想は、みんながあるんだな。嫌なことを何度も反芻したり、これから起きそうな嫌なことを想像したりするのは、サピエンスに普遍的にあることで、著者さんはそれを「脳内映画」に例えて説明していて、すごくわかりやすかった。人は脳内映画を見ながら生活していて、おおむねそれはネガティブな内容だ。「将来」「老後」という映画はもちろん不安でいっぱいだし、「学生時代」「実家」等の映画もつらく苦しい。かといって映画館(自分の思い)を出ることは至難の業で、人生の苦しみはそこにある。著者さんの他のも読んでみたい。2020/01/30
こゆき
6
禅にもマインドフルネスにも無知だけど、この本は仏教にとってかなりセンセーショナルな内容なのではないのかな。押し付けがましくなくって比喩も分かりやすく暖かみのある文章だから、知識として面白く読んだ。ひとつ気になるのは、慈愛の感情もエゴのうちなのでは?っていうところ。2019/12/09
おさと
5
「私」というものが二重構造になっている。肉体としての私と、生まれてもいないから死なない《私》。様々な苦難を乗り越えて、自力である域まで到達した師の方々が見た景色まで、マインドフルネスと禅を掛け合わせることで到達できるのならやってみたいと思うが、やはり自分の体験・経験が1番か。読み終わった今でもやはり死ぬのは(肉体がなくなるのは)嫌だと思っている自分はまだ何もわかっていないということがわかった。一度禅寺へ…。2020/03/28
ミー子
5
曹洞宗とテーラワーダ仏教との両方で、僧として長年修行した経験に基づいて、その双方の教えを補完し合い、融合して語られている。まさに今、私が読みたかった内容の本だった。日本への仏教伝来からこれまで約1500年間、インドからものすごく遠い日本では知り得なかったテーラワーダ仏教の教えや修行法を、国際化の時代となった現代の日本人は知ることができる。長い時間を経てぼやけてきた仏教の教えが、南伝と北伝の教えを重ね合わせることで、2500年前に釈迦が説いたことの真髄が見えてくるという、国際化の時代だからこその恩恵。2019/11/18