出版社内容情報
生きるヒントと勇気にみちた、心に響く闘病記。
「これほど短く、みごとな死の象徴的な描写を知らない」──養老孟司氏(毎日新聞9/2より)
内容説明
世界的な免疫学者・多田富雄は、二〇〇一年、脳梗塞に倒れ、言葉を失い右半身不随になった。しかし、重度の障害を背負いながら、現在も著作活動を続けている。障害者の先頭に立って介護制度の改悪に抗議し続ける著者は、自分の中に生れつつある新しい人を「巨人」と呼ぶようになった。杖で歩こうとするときの不器用な動作、しりもちをついたら、どんなにあがいても起き上がれないという無様な姿。言葉数の少ない「“寡黙”なる巨人」である。
目次
1 寡黙なる巨人
2 新しい人の目覚め(生きる;考える;暮らす;楽しむ)
著者等紹介
多田富雄[タダトミオ]
1934年茨城県生まれ。東京大学名誉教授。免疫学者。千葉大学医学部卒。千葉大学教授、東京大学教授、東京理科大学生命科学研究所長を歴任。95年、国際免疫学会連合会長。抑制T細胞を発見。野口英世記念医学賞、エミール・フォン・ベーリング賞、朝日賞など内外の多数の賞を受賞。84年、文化功労者。能楽にも造詣が深く、脳死と心臓移植を題材にした『無明の井』、朝鮮人強制連行の悲劇『望恨歌』などの新作能の作者としても知られ、大倉流小鼓を打つ。2001年、脳梗塞で倒れ重度の障害をもつ。おもな著書に『免疫の意味論』(93年青土社大佛次郎賞)、『独酌余滴』(99年朝日新聞社日本エッセイストクラブ賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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