内容説明
『ネイチャー』掲載論文全訳、そのほとんどが本邦初訳。26歳の処女論文「東洋の星座」からオランダ人東洋学者との「ロスマ」大論争まで、全63篇収録(59篇初訳)。
目次
東洋の星座
東洋の科学史に関する小論
虻と蜂に関するフォークロア
中国古代文明に関する小論
拇印考
マンドレイク
さまよえるユダヤ人
驚くべき音響・死者の婚礼
ロスマ論争
ムカデクジラ
日本の発見
日本の記録にみえる食人の形跡
隠花植物研究
雑纂1―俗信・伝統医術
雑纂2―自然科学など
著者等紹介
飯倉照平[イイクラショウヘイ]
1934年生まれ。東京都立大学名誉教授。中国文学研究者
松居竜五[マツイリュウゴ]
1964年生まれ。龍谷大学助教授、科学研究費補助プロジェクト「南方熊楠草稿資料の公刊および関連資料の総合的研究」代表
田村義也[タムラヨシヤ]
1966年生まれ。成城大学非常勤講師
中西須美[ナカニシスミ]
名古屋大学講師を経て翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
落斯馬(ロスマ)がイッカクかセイウチかで争ったオランダの中国学者シュレーゲルとの論争に見られるように、著者はアジア圏の情報提供者として『ネイチャー』誌を賑わし、著者の論文が掲載された投稿欄では、活発な議論が行われたようだ。当時話題の未確認生物をムカデクジラと推定する際『大和本草』の情報を提供する著者だが、マンドレイクなる植物の考察ではプリニウス『博物誌』を示し、東西の渡る博学を披露している。が、近代科学へ方向転換する本誌から掲載を謝絶され始めた著者は、舞台を『ノート・アンド・クエリーズ』に移したとされる。2022/11/11
やいゆえよ
1
南方熊楠の好奇心、知への欲求を尊敬する。マンドレイクやムカデクジラなど伝説上の存在を解明しようとするものなど、私のような無知無学の徒にも読みやすかった。2023/12/30
Pikatyuagarden
0
・「星をグループ化して星座とすること」に対して「東洋の星座」 ・幽霊に関する論理的矛盾 ・日本の記録にみえる食人の形跡 ・ライオンの天敵 ・熊楠にとって本を読むことは、たいていの場合、その全部あるいは一部を書き写すことでもあった。2016/01/22
tkm66
0
・・うーん、後年の紀州でのフリチンで道端でゲロ吐いたりしている奇人とは整合性が付かん!との覚えが。2006/01/18