内容説明
一九九五年、虐待された子どもをテーマにした『凍りついた瞳』が刊行されたとき、おおきな反響を巻き起こした。その理由は、子ども虐待の実態があまりにすさまじかったこと、そして、その現状を世間があまりに知らなすぎたことが、社会に衝撃をあたえたのだった。その後、二〇〇〇年に「児童虐待の防止等に関する法律」が施行されたが、子ども虐待の事件はいまだに跡を絶たない。本作品は、児童虐待の現場からの子どもたちの悲痛の叫びであり、さらにその叫びを受けとめて、子どもを虐待から守ろうと懸命になっているひとびとの物語である。
目次
第1章 「SOS、SOS、助けて…」
第2章 サウナの家
第3章 長い家路
第4章 母子治療
第5章 子どもたちの未来へ―法医学者たちの熱き闘い
第6章 『児童虐待の防止等に関する法律』の見直しをめぐって
著者等紹介
椎名篤子[シイナアツコ]
1955年生まれ。駒沢大学文学部歴史学科卒業。93年子ども虐待を医療側からレポートした『親になるほど難しいことはない』を刊行。94年子ども虐待を漫画化した『凍りついた瞳』を「YOU」に連載。95年「子ども虐待を考える会」を発足させ、理事長就任。現在は同会を離れ「子どもの虐待防止活動を考えるネットワーク」代表、「児童虐待防止法の改正を求める全国ネットワーク」世話人・企画委員、日本子どもの虐待防止研究会副運営委員長などを務める
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感想・レビュー
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ちゃんみー
45
集英社から出てる《YOU》は嫁さんの愛読書(?)です。昔はそれをよく読んでました。そこに、このタイトルの漫画がありました。当然この話も読んでいました。とても悲しい物語ばかりでした。そしてこの前、図書館でウロウロしていたら、このタイトルが目に入ってきました。児童虐待。ニュースではよく見かける事件です。法整備がされないと助けることができないなんて、なんとも悔しいものですね。2014/01/31
アルクシ・ガイ
3
虐待は社会問題になっている。虐待児童の存在が明らかになると「施設で保護しろ。親元に帰すな」と世論は叫ぶが、話はそう簡単ではない。一般の家庭ではちょっと考えられないことも、施設では起こりうる。つい先日も四年前まで施設で暮らしていた青年が、施設長を刺し殺した。動機は今のところはっきりしないが、もしこの本の内容のようなことが起きていたとしたら、施設を恨むのも無理はない。2019/02/25
りお@積読本増加中
0
「もう一度、私を育てなおしてください。今のままでは生きられません」2016/07/06
きりだんご⭐️新潮部
0
●図書館2012/10/27
鈴と空
0
2006年以前