出版社内容情報
サンフレッチェ広島を立ち上げ、広島の森保一、川崎Fの風間八宏をはじめ、Jリーグ監督を幾人も育てた今西和男。『オシムの言葉』の木村元彦が、本人、選手、関係者への取材を通して、その実像に迫る。
木村 元彦[キムラユキヒコ]
内容説明
森保一、高木琢也、風間八宏、上野展裕…その門下生から次々と「名将」が輩出されるのはなぜか。実業団からJリーグへ発展していく激動期に、驚くべき手腕で日本サッカー界の人材を育てた男の軌跡。
目次
第1章 “ピカ”から日本代表、そして初のGM
第2章 Jリーグ、サンフレッチェ、今西門徒
第3章 クラブは地域のために―FC岐阜
第4章 徳は孤ならず
著者等紹介
木村元彦[キムラユキヒコ]
ジャーナリスト。1962年、愛知県生まれ。中央大学文学部卒業。東欧やアジアの民族問題を中心に取材や執筆活動を行う。『オシムの言葉』(集英社インターナショナル)で、第16回ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
108
私はスポーツに全く興味ないが、河野通和さんの絶賛で本書を読む。日本代表の森保監督が「今の自分があるのは今西さんのお陰」とまで言う今西和男さん。これほど温かく思いやりを込めて選手を育て、面倒を見、これほど多く人に慕われた人があったかと感動が止まらない。でも物語はサンフレッチェ広島での成功譚では終わらない。FC岐阜に請われて社長に就任するも、Jリーグや岐阜県・市の酷い仕打ちによって心身ともにズタズタになるドラマが待っていた。そんな不条理を超えて「徳不孤 必有隣」の言葉で氏を励ます人たちがいることが救いである。2022/09/13
したっぱ店員
46
本の雑誌文庫王国の紹介で手に取る。広島時代は今西の人間的魅力がチームそのものや選手のその後も生かせる理想の展開だったが、後半岐阜FCの話が急に辛い。苦手な経営部門で奔走させられた挙句の理不尽な仕打ち。倍返し始まる前の「半沢直樹」のような展開に胸が痛む。著者の書きたかったことはこっちの方かも。今西をよそ者扱いで一歩も二歩も下がって傍観しながら、いざ上手くいきかけると急に前に出て取り上げる、岐阜のやり方に怒りがふつふつ。チーム体質に疑問を持ってしまった。2021/12/26
ばんだねいっぺい
24
情に熱く、人間を大事にする今西さんの話が最後まで続くと思いきや、だんだんとトーンがJリーグのライセンス事務局批判になっていく。いいんだけど、そろそろ、告発の書で1冊書いてしまった方がいいんじゃないか。2017/08/31
ふろんた2.0
18
Jリーグ初期のサンフレッチェ広島を築きあげた、今西和男の半世紀。初期の主力メンバーが今も数多く指導者として活躍していることに目を見張る。一方でFC岐阜時代の不遇についてはJリーグの闇の部分が映し出されている。2017/06/28
glaciers courtesy
9
本の内容的には大きく二つの部分に分かれる。「日本サッカーの育将 今西和男」というサブタイトルに相応しい広島時代。今西和男の深い深い愛情と、その愛情に応え成長していく選手たち。幸せな時代だ。そして、それとはあまりに対照的な報われなかった岐阜時代。僕はこの本を現代日本の鏡として読んだ。文化としてのスポーツが根付きつつある豊かな社会としての日本。一方で、権力者たちが、態度が気に入らないという理由だけで好き勝手に人を社会的に追いつめ、抹殺できる。森友問題や河合法相事件とは構図は違うが同根の日本の腐った部分と思う。2021/06/25
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