出版社内容情報
特攻で散った日系二世の数奇な運命
太平洋戦争中、米国生まれの二世ながら日本海軍パイロットとして神風特攻に散った松藤大治少尉。運命に翻弄されながらも毅然と生きたその生涯から「日本人とは何か」を問う感動ノンフィクション。
内容説明
「日本は戦争に負ける。でも、俺は日本の後輩のために死ぬんだ」運命に従い、最後の日まで懸命に生きた出陣学徒の知られざる特攻ドキュメント。感動の歴史ノンフィクション。
目次
カリフォルニア州サクラメント
剣士の誕生
現れた転校生
戦時下の日本
束の間の幸せ
別れのトランペット
始まった東京生活
迫りくる戦火の足音
学徒出陣
猛訓練の日々
元山航空隊
特攻出撃
敵部隊見ゆ
生きていた戦友の姿
著者等紹介
門田隆将[カドタリュウショウ]
1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。雑誌メディアを中心に、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなどの幅広いジャンルで活躍している。『この命、義に捧ぐ台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社)で、第十九回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ころりんぱ
44
70年前のまさに今日、4月6日にアメリカ国籍を持つ日系二世松藤大治少尉は七生隊のひとりとして、鹿屋基地から特攻に飛び立ちました。15歳までアメリカ育ち、その後勉学のため日本に渡り東京商大(一橋大学)へ。英語も日本語も堪能で成績優秀、剣道や音楽にも長け、穏和で人気者、日本とアメリカを結ぶ外交官を夢見て大学に入った、いわばエリート中のエリートです。その彼が行き着いた先が零戦特攻とは、言葉もありません。取材された数多くの証言から、命を散らせた当時の若者のリアルな生き様を知ることができました。2015/04/06
みえ
26
特攻隊で亡くなられた松藤さんの生涯。切ない。こんな明るくて真面目でスポーツも勉強も音楽もできる努力家で家族思いの優しい人が、こういう最期を迎えなくてはならなかった戦争って一体なんなんだ?23年という短い生涯だけど、一日一日精一杯生きてたという事実。私は平和ボケしてる。大事なことを忘れないで生きていこう!と思った。2017/04/13
NOBU
25
アメリカ国籍の日系二世『松藤大治』。出陣学徒として零戦に乗り、特攻に散る。「日本は戦争に負ける。でも、俺は日本の後輩のために死ぬんだ」そして、その戦友が語る。「私たちは、たまたま1945年というあの時に軍人であり、若者でした。それは運命であり、国や家族を守るという使命や責任から、逃れようとは思いませんでした。」 戦争なんて理解できない。平和な時代に生きることに感謝。 2011/10/29
ひろし
6
涙、涙です。 こんなに、尊い人達を死地に送った戦争を、憎まずにはいられません。『日本は戦争に負ける。でも、俺は日本の後輩のために死ぬんだ』と言い残し、飛び立っていった松藤さんに、戦地で散華した沢山の先輩たちに対して恥ずかしくないように生きなくてはいけないと思いました。彼らに託してもらった今を生きる僕たちは、もっと彼らとあの戦争をまなばなくちゃいけない。2015/05/17
ゆずこまめ
5
冒頭、特攻で戦死した松藤さんの学生時代の集合写真でもう泣けます。みんな明るくて楽しそうで・・・今とは比べ物にならないくらい大学生がエリートだった時代にそのエリートたちを戦争にやって、その後どうするつもりだったんでしょう。松藤さんの人生がさわやかすぎて、戦争という狂気の怖さに震えました。2011/11/05
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