内容説明
事の起こりは、南畝がふと口ずさんだ俗謡の一節「女郎のまことと玉子の四角 あれば三十日に月が出る」。これに狂歌連一の年若、山東京伝が異をとなえ平秩東作をまじえた三人は吉原の遊女屋へ。南畝の恋の始まりか。多彩な人物を配し、江戸の息吹の中に描く南畝の恋の顛末。
著者等紹介
竹田真砂子[タケダマサコ]
東京・神楽坂生まれ。法政大学文学部卒業。1982年「十六夜に」でオール讀物新人賞、2003年『白春』で第9回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
4
狂歌の天才・大田南畝が見初めた相手は、遊女・三保崎。家族を抱えた微禄な御家人の身、見かねた狂歌仲間が手をさしのべるが…。多彩な人物を配し、江戸の息吹きの中に描く南畝の一途な恋の顚末。 2010/03/07
takao
2
ふむ2023/12/10
ちた
1
狂歌仲間が物のわかったいい人ばかりで、かくありたいものだとしみじみしました。友達の間でお金の話はしないほうがいいなーって思っていたのですが、こんな感じで自然に助け合えるならアリだなぁ。難しそうだけれども。三保崎さんとのことは恋なのか義侠心なのかよくわからないんだけど、妻の立場は・・・と思うとちょっとどんよりする。2012/01/10
ちゃかぱん
1
受けた辛苦を慈悲で還す。2011/05/28
uenos
1
吉原の遊女の身の上や病弱なことを知り家族に内緒で身受けする。甲斐甲斐しく看病を続ける。真実の恋なのかもしれない……。最後の一行には思わずにやりとしてしまった。2011/04/25