内容説明
『今夜、すべてのバーで』『ガダラの豚』『明るい悩み相談室』『アマニタ・パンセリナ』と、話題作を次々と発表した作家の素顔とは。二〇〇四年七月二十六日、泥酔して階段から転落、五十二歳で急逝した中島らも。作家、ミュージシャン、役者、多彩な顔をもつ天才と半生をともに生きたベスト・パートナーが語る、不世出の異才のすべて。
目次
序章 さよなら
第1章 一生分のキス
第2章 野生種のお嬢さまと温室育ちのシティーボーイ
第3章 結婚しようよ
第4章 光り輝く赤ちゃんさまが降りてきた
第5章 『バンド・オブ・ザ・ナイト』な日々
第6章 中島らも誕生
第7章 二人は一人、一人は一人
第8章 リリパット・アーミーとの決別
終章 あとでゆっくり会おうね
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
62
ユーザーのレビュから。こういう本が出てるのかと驚き借りる。あの奇人の妻になる人はちょっとやはり普通ではないと分かった。いろいろ絶句する。らもの末期は薬やアルコールでおかしくなっていたとは聞いていたが…… 彼の最期である階段落下事故から回想から始まる。鈴木創士とは昔からの友人関係だったとは初めて知った。あのわかぎゑふは愛人みたいなものだったのかあ。リアルタイムで「かまぼこ新聞」を読んでいて「ガダラの豚」を買って読んだぐらいであるが、演劇を見てみたかったなと少し残念に思う。実に癖のあるらもの思い出。2017/05/16
ぜんこう
28
らもさんのカミさんである美代子さんによる、らもさんとの出会いから別れまで。 らもさんが高校(灘高)の時の先生が「人と違うことをしてはいけませんよね」と言ったのを聞いて何もかもがばからしくなった、というのがなぜか僕の印象に残りました。 エッセイなんかでは常に面白可笑しく書いていたことも、妻の立場からみると笑えないことや、女性同士だからなのか、わかぎゑふさんのことはあまり良くは書かれていませんでした。 らもさんの知らなかった一面が見えたのはいいけど、そこまで赤裸々に描かなくても、という部分も。2016/11/26
ぺん
23
30年前くらいに中島らもの著作を読み漁ってた時期がある。なので、メイキングを読むような感覚で読む。きゅんきゅんするのは新婚時代だけで、ヘルハウス時代以降はかなりの鬱展開。その時々で首をかしげる行動をする人はいるものの心底邪悪な人がいない中で最悪のボタンの掛け違えが発生してしまった感じ。その掛け違えを何とか正した挙句の突然の終わり。切ない。中島らも再読したくなったけど、何読んでも泣きそうな気がする。薬物の乱用と愛の無いセックスは人を幸せにはしないってのが教訓。2024/12/29
kinkin
23
はちゃめちゃな、らもさんを支えてきた奥さんから見た中島らもさんのこと。不思議な夫婦の話。2013/10/11
アコ
22
この手の本が好きでたまに読むけど、ここまで素人丸出しの文章は珍しい。読みづらい分あけっぴろげ。ドラッグ使用や子どもがいる自宅での乱行などを悪気なく書いていて少し怖いくらい。世間知らずの奔放なお嬢様がそのまま大人になったような…さすが異才の妻、変わってる。読後にあの長谷部鋭吉の孫娘だと知ってびっくり!本のどの内容よりも驚いた。旧姓が長谷部で祖父は建築家と明かしつつ名前は書かないのは…著者にとってはどうでもいいことなのかも笑2019/05/30