内容説明
熊野を照らす日輪のように輝き続けた「丹鶴姫」多くの宿命に翻弄されたその謎の生涯。源平の時代に光をあてる書き下ろし歴史長編。
著者等紹介
紀和鏡[キワキョウ]
1945年東京生まれ。「文芸首都」同人として中上健次、津島佑子、林京子、勝目梓らと活躍。後に中上健次と結婚。中上紀氏は長女。処女作は85年講談社より刊行の「Aの霊異記」
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感想・レビュー
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優希
56
ファンタジーを交えた歴史小説と言えるでしょうね。熊野の目線から見た歴史小説。丹鶴姫の謎も絡むのが興味深いところです。鎌倉時代成立までの物語なので源平の時代が堪能できました。平安末期の面白さを感じさせます。大河ドラマにしても良いような内容でした。2021/12/06
小瑠璃
8
これ、すごく良いです…!時は平安末期。主人公は熊野別当の妻であり、頼朝・義経の伯母でもあった丹鶴姫。熊野の視点から保元・平治の乱から鎌倉幕府の成立までが描かれます。熊野三山の成り立ちと関係や朝廷との駆け引きが分かるのが嬉しい。丹鶴姫は、乙女ゲームかと思いそうになる程のハイスペック&モテぶりで、彼女の周りに魅力的な人物が集まること集まること。三郎素敵。かなり読み応えのある本ですが、至る所山場だらけで飽きません。ややファンタジー要素も含みますので、完全な歴史小説ではありませんが、大河ドラマにしてほしい!2017/05/15
eddy
0
中上健次さんの奥様も大小説家なのですね 熊野は最高だ2020/03/02
Kumi
0
タイトルに惹かれ、ページをめくって即読むこと決定。 熊野の人物目線で描かれた時代ファンタジー! 英和辞典ほど分厚く、文字びっしりですが、読み応えありです。 熊野別当、新宮十郎、平忠度、源為義の娘で熊野別当の妻・たず、弁慶、登場人物も個性が際立って描かれていて、人物像が想像しやすい。弁慶の出自に関する想像、ふくらましが独特!おもしろい! 平安末期は面白いと思います。2018/03/20