内容説明
亮平が書いたブラック企業体験ルポが雑誌に載った直後、4年ぶりに美帆子から電話がかかってきた。美帆子はかつて亮平が家庭教師をしていた拓海の母親だ。拓海は中学受験を前に交通事故で亡くなり、その死はふたりに暗い影を落としている、はずなのだが……。この電話の2ヵ月後、亮平の元を刑事が訪ねてくることになる。リアリズムの名手が放つ傑作犯罪小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
23
穢れた愚か者たちの罪過。幾重にも重なり、それは不穏な“死”を呼び寄せる。魅せる儚さ、静かな狂気…魔性の女の無垢という最強の悪に震撼する。分裂した心情と理性を極限まで高めて描かれた罪の追及は読み応えたっぷりだった。子供を亡くした母親、夫のDVに耐える妻、背徳を犯す女…登場人物の視点によって印象が変わる美帆子の真実の貌とは?それは意図したものか、偶然か、読み進めるほど彼女が分からなくなっていく。生きる為に罠を仕掛けて捕食する蟻地獄の女王様、そんなイメージ。それにしても、愛憎が生み出す破壊力は想像以上だった。2019/10/29
きのこ
21
なるほど、実はこの話は亮平が書いたってオチがストンとくるな。男を惹き付けてやまない女が登場するのは「夜の果てまで」を彷彿とさせる。これで盛田の積読が残り一冊になってしまった(泣)2020/11/12
JKD
15
バー「雪ノ華」を舞台に微妙なバランスをもった愛憎劇。情景はリアルだが浮き沈みのない展開なのでこの先どうなるのかと思ってたら、不穏な事件発生によって中盤以降じんわりと盛り上がってきた。TVドラマではなく、心にズンとくる1本の映画を観たようでした。2019/11/22
terukravitz
4
★★☆☆☆2019/10/09
chiro
3
「・・・かよ!」美帆子腹立つんですけどー。って、これ世の女性の多くが思うはずー(笑)2020/06/07
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