内容説明
揺れる十代を描く新感覚連作短編集。
著者等紹介
篠原一[シノハラハジメ]
1976年6月17日生まれ。1993年、『壊音 KAI-ON』(第77回文学界新人賞)でデビュー。他の著書に『誰がこまどり殺したの』『天国の扉』『きみよわすれないで』(河出書房新社)、『ゴージャス』(角川書店)がある
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感想・レビュー
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茶坊主
1
登場するのは、ほとんど10代の男の子。 母親の存在になんとなく息苦しさを覚えている少年が、母親を殺すところから話が始まる。 偶然知り合った少女と一緒に、死体を空き室の冷蔵庫に隠す。 その死体を発見して、そっと観察し続ける少年。自分も母を殺して、冷蔵庫の死体を入れ替える少年、写真を撮る少年、冷蔵庫の死体をキーワードに、10代の危うさが描かれる。 が、後半になってくると、誰が誰だったか、 分からなくなり、どの話も似たり寄ったりに 思えてくるのは、10代が既にはるか昔のことになってしまったせいなのか?? 2016/06/26
こっぺ
1
死体がつなぐ連作集。そのリンクが面白い。「サマータイム」が普通の?青春小説のようで好きだった。「アウト・トゥ・ランチ」「アイル・リメンバー・ユー」に出てくるコジマが好き。【図】2011/09/19
祐樹一依
1
あまりにも静かで、刹那的な行動原理の元に、倫理とは掛け離れた言動を繰り返す少年たち。誰が見ても「マトモではない」のに、誰かしらの心の奥底にも潜んでいるのかもしれにあ、とふと思ってしまいそうな狂気の数々。8年ぶりの再読ですが、当時感じた「面白さ」を思い出すことが出来ずに無念です。恐らくは僕が本書に登場する「大人」側の人格が強く主張してしまっているからなんだろうなあ・・・。本当、コドモゴコロって刹那的。2010/02/08
さこ@灯れ松明の火
1
歪んでいるけど冷静で…いや、歪んでいるからこそ冷静なのか…読み終わって、これはどんな人間へ読んで欲しい内容なんだろうと考えた。罪を犯してしまった人か、これからしてしまいそうな人か…。微かに繋がる殺伐とした物語。“アウト・トゥ・ランチ”と“サマータイム”が好き2008/12/13
色
0
再読。この人の小説をたまに思い出しては無性に読みたくなるのだけど、もう長いこと新作を発表されてないんですね。2015/06/27