内容説明
新直木賞作家の最新作品集。人生の節目節目に誰しもが抱く恋愛感情。表題作を含む11の短編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
35
赤瀬川隼「秋日和」からの三作目。落ち着いて読める赤瀬川作品、本作は既読の二作より内容的にはバラエティに富んでいる。表題作の他10の短編集。次の二作が気に入った。妻に先立たれた中年男が41歳のキャリア女性に恋をする。男の心情描写、父と息子の互いに思いやる心が丁寧に描かれた表題作の「四人の食卓」。定年を5年残して退職、妻と銀婚式を祝おうとする男が、ある日画廊の女性にひと目惚れ。妻との現実と、彼女への切ない恋心に挟まれて葛藤する男が微笑ましくて面白い「初夏の名残」。中年男の本音が見事に描かれた作品である。2015/02/14
遠い日
1
ごく短い11の短編からなる。どの章にも中年から初老にさしかかった男と、若い美しい女が登場する。不倫、ホラーめいたもの、ふとした出会いから始まる恋、色々な“風景”が描かれる。でも、赤瀬川氏は短い作品に実に丁寧に背景を描き込んでおり、おとなしいけれど飽きさせない仕上がりになっている。昨年出た『秋日和』に通じる路線である。この本のなかでは、題名にもなっている「四人の食卓」が私は一番好き。一話完結のホームドラマみたいで、幸福な感情と恋が終わるあっけなさがうまく描けている。2004/03/31
もぽ
0
収録されている短編のほとんどが中高年の男性が年の離れた若い女性に下心(恋心)を抱いてどうにかなったりならなかったり、という話。文体や雰囲気は好きな感じだったのに肝心の物語がそれで残念だった。都合の良い女ばかり出たきた印象。2021/11/08