内容説明
バンドする青春。ヒップな音楽小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
278
ダブリンを舞台にしたバンド小説。よく言えば軽妙だが、その軽さの質に新しさが感じられないのが残念。あるいは訳文が一層こうした点に拍車をかけているかも知れない。畢竟これもまた何故「ガーディアン必読1000冊」に選ばれたのかは不明。門外漢のせいもあって「ソウル」と言われても何のことやら。プロデューサー兼マネージャーのジミーはともかく、彼らの父親年齢のジョーイの存在は、小説に膨らみを与えてはいるものの、同時にリアリティには疑問を投げかけることに。好意的に見れば、原文は詩のようなリズムそのものを楽しむものだったか。2016/12/05
ケイ
87
訳に問題ありではないか。ジェイムズブラウンの「セックスマシーン」を耳に聞こえるとおりに、 ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ」とか書いていっても、曲を知らない人にはどうだろうか。私自身は知っていたから頭の中で曲に変換しながら進んでいったが、知らない曲はYou Tubeで検索して聞いてみた。それでもなお、この作品の持つソウル、ヨーロッパの黒人であるアイルランド人、特にダブリン人のソウルは響いてくるのだから、原作にはビートがあるのだろう。ちなみに訳者は、演奏家でウクレレの入門書などを書かれているようだ。。。2015/11/08
NAO
75
アイルランドが舞台の、バンド活動に夢中になる若者たちの話。音楽を扱っているため軽妙な文章で描かれているのだろうが、ちょっと軽すぎる感じがしないでもない。ただ、よくあるサクセスストーリーではなく、成功はしなかったでもやっぱり音楽はやめられないといったメッセージが、夢のようなサクセスストーリーよりも若者の読者の共感を呼んだのだろうかと思う。2019/01/11
harass
41
ガーディアン紙の1000冊リストに入っていて驚いた作品。未見だが映画化されていて題名をそれで覚えていた。軽い小説でサクサク読める。ソウルミュージックのバンドを結成してデビューを目指す、ダブリンの労働者の青年たちの騒動を描く。『バンドやろうぜ』もの。1986年のデビュー作でブッカ―賞受賞。日本でもいくつかバンドもの青春小説はいくつかあるがこれが大元ではないかと。ソウルミュージック狂いの主人公が皆を焚き付けていくのが面白い。ただ文章だけでは、いくら有名な曲でもメロディが頭に浮かぶのは難しい。映画をみるべきか。2015/09/27
花乃雪音
17
アイルランドのダブリンを舞台にしたソウルバンド「ザ・コミットメンツ」の物語。私はソウルについて疎いためか本作に描かれている音楽について興味が持てなかった。そのため本作が青春小説に思えてしまった。バンド内での恋愛、音楽の方向性の違い、進路問題などによる不和という展開に意外性はなく登場人物の心情を精緻に描いた作品とも思えなかった。2022/06/13