内容説明
16歳の高校生のぼくは医学部志望。母親の過保護で息がつまりそうだ。父は子供のことがまるでわかっていないのに父親役を演じ、ぼくは父のことなどまるで知らないのに子供役を演じてる。IQ157の兄は突然に登校拒否と家庭内暴力に走り、その後は家族を避けてガレージに閉じ籠った。そんな家に帰りたくないと思うが、ぼくは利口だから決して反抗はしない。クロス・ロードにたたずみぼくは迷う。いったいどの道を進めばいいのか?微妙にゆれうごく少年の心をユーモラスに文学性豊かに浮き彫りにする新しい作家の登場。第11回すばる文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けい子
19
思春期の男子(主人公)目線で書かれている。母の期待や過保護に疲れながらも、淡々と感情をあまり出さずに過ごす毎日。後半、友人の死から主人公の成長が感じられ、話も引き締まった。2024/02/15
D21 レム
14
読みやすくて、叙情的で、出てくる人たちの性格がはっきりしている。しかし、読後には、いったい何を…?という感想。片寄った父、支配的な母、ひきこもりの兄に、主人公。極端にひとりよがりな母の言動に疲れた。はあ…とため息がでた。大人は嫌いだ!というような気持ちになった。自分もどっぷりと大人なんだが。2017/03/15