出版社内容情報
【第36回小説すばる新人賞受賞作】
定時制高校に通いながら無職の父に代わり働く耕一郎は、ある冬、苦労して貯めた八万円が無くなっていたことに気づく。
このことを父に問い質すと、父は金を使ったことを悪びれもせずに認めた上、予想を超える衝撃の言葉を言い放った。
衝動的に父を殴り飛ばした耕一郎は、雪の中に倒れた父を放置して故郷を逃げるように去る。
しかし、僅かな所持金は瞬く間に減り、逃亡生活は厳しくなる一方。
遂に金が底をつき、すべてを諦めようとしたそのとき、
「……なに、訳あり?」
公園の隅、小さなホームレスの溜まり場から、ひとつの手が差し伸べられる。
出会いと別れを繰り返し、残酷な現実を乗り越えた先、故郷へと帰る決意を固めた耕一郎を待ち受けていたものは――。
社会から切り離される圧倒的な絶望と、心と心が深く繋がるやさしさを描いた、25歳の若き著者による感動のデビュー作。
【著者略歴】
逢崎遊(あいざき・ゆう)
1998年、沖縄県生まれ。神奈川県在住。桑沢デザイン研究所卒業。2023年、本作で第36回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
内容説明
「耕一郎は絶対、幸せになる資格があるからね」定時制高校に通いながら、無職の父に代わり働く耕一郎。一九九四年一月、彼は苦労して貯めた八万円が無くなっていたことに気づき、父に問い質す。すると、金を使ったことを悪びれもせずに認めた上、予想を超える衝撃の言葉を言い放った。衝動的に父を殴り飛ばした耕一郎は、雪の中に倒れた父を放置して故郷を逃げるように去る。しかし僅かな所持金は瞬く間に減り、逃亡生活は厳しくなる一方。遂に金が底をつき、すべてを諦めようとしたそのとき―。「…なに、訳あり?」公園の隅、ホームレスの溜まり場から、ひとつの手が差し伸べられる。青年は、出会いと別れを繰り返す。残酷な現実を乗り越えた先、故郷へと帰る決意を固めた彼を、待ち受けていたものは―。第36回小説すばる新人賞受賞作。
著者等紹介
逢崎遊[アイザキユウ]
1998年、沖縄県生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。2023年、本作で第三六回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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