出版社内容情報
中堅ゼネコン勤務の父・陽一は仕事でトラブルを抱え、母・裕実子は勤め先の上司と不倫関係に。そして、中学生の真佐也は不登校が続く……。それぞれが秘密を抱える「家族」の行く末とは。壊れゆく家庭を描く“危険"なサスペンス長編。
伊岡瞬(いおか・しゅん)
1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞しデビュー。著書に『代償』『痣』『悪寒』『不審者』『仮面』『奔流の海』など多数。
内容説明
かつてのセレブタウンに引っ越してきた山岸家。中学生の真佐也は、不登校を続けていた。心配する母・裕実子とは対照的に、中堅ゼネコン勤務の父・陽一はあまり関心を示さない。そんななか真佐也は、公園でよく一人で過ごしている少女・あかりと言葉を交わすようになる。その少女には怪しげな噂がつきまとっていた。一方、陽一は急に出社しなくなり、裕実子は勤める税理士事務所の上司と“残業”という名の密会を続けていて…。
著者等紹介
伊岡瞬[イオカシュン]
1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第二十五回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まちゃ
221
中堅ゼネコン勤務の父・陽一、税理士事務所パートタイマーの母・裕実子、不登校が続く中学生の息子・真佐也。それぞれが秘密を抱えた山岸家で発生した少女殺人事件。壊れゆく家庭を描いたサスペンス。真相が明らかになっていく後半はそれなりに面白かったですが、全体としては期待ほどのドキドキ感はなかったように思います。最後まで読むと、息子が一番まとも。2022/09/25
いつでも母さん
204
こんな庭なんて・・こんな夫婦なんて朽ちてしまえ!山岸家は壊れていたのだ。繕ったつもりでいても、バレないように隠し通せますようにはガラガラと内から崩れていくよね。そのしわ寄せは息子・真佐也を追い込んでいくのだ。はぁ、どうしても嫌悪感が先になり、この子を救い出してやりたいのに・・そんな苦い読後感。正直お薦めは出来ないものの、真壁刑事登場にニヤリとしてしまった。弁護士・白石と組んでまたどこかで会いたいな。2022/07/02
イアン
184
★★★★★★★★☆☆不穏な空気に満ちた伊岡瞬の長編サスペンス。会社で不正が発覚し自宅謹慎となった父・陽一、上司との密会を重ねる母・裕実子、不登校でゲーム依存の息子・真佐也。秘密を抱えながらもそれぞれが変わらぬ日常を過ごしていた。一人の少女が家の中から遺体で発見されるまでは…。序盤は真佐也中心だった視点が、〝その日〟以降は両親の視点が中心となり、疑心暗鬼に駆られる心情をリアルに描き出している。少女を殺したのは息子か、否か。やはり伊岡瞬は「感動」を謳った作品より、鬼畜やクズが暗躍する作品の方が圧倒的に面白い。2023/05/25
モルク
183
以前セレブタウンとして売り出した地に一軒家を買い越してきた一家。中学生の一人息子は不登校となり、母は職場でダブル不倫、父も会社で何かあったらしい。そして少女の遺体がこの家から見つかり息子が逮捕される。自意識過剰の父、後先考えずホイホイついていく母と、お互い思いやることもなくバラバラ家族。いつも見張っている噂好きの近所のオバサン、不良少年たち、母の同僚と癖のある面々が揃う。そして息子の不登校の本当の理由に虫酸が走る。息子の友人の友情に一筋の救いはあるが、この家族は再生できるのだろうか。2022/11/01
イケメンつんちゃ
173
ペテン師と堕天使 毎日毎日痛々しい膝小僧に喝 フリーランスの自分に いつも温かい声援感謝致します ありがとうございます 二回目の読書 単行本で読んでみました 飛龍十番勝負 第六弾 今回は 伊岡瞬先生 「とても大事なことなんだ」 このフレーズを胸に秘め ストーリーは始まる とてもイヤな ケンカした子供たちの仲直りの握手 クズの大人たちと大キライな中坊のオリエンテーリング クズの大人たちと大キライな中坊のソウルオリンピック おもしろいけど ありそうで怖い イヤミな金メダリスト ハカイダーのお友だち スパイ失業2024/08/09