出版社内容情報
大学の研究室に置かれた、あやしい“タイムマシン"。美歩は、中学生の自分にある大切なことを伝えるため、半信半疑で乗り込むが…(「過去ミライ」)。ほか全7編、注目の若手実力派が贈る青春SF短編集。
内容説明
タイムマシンなんてあるはずがない。でも、もし戻るなら2011年のあの日しかない―!美歩は過去の自分に大切なことを伝えるため、大学の研究室にあった謎の物体に乗り込んでみる…(「過去ミライ」)ほか、「超能力アイドル」を目指してテレビ出演をする女子中学生(「自由ジカン」)、家庭用ロボットを手に入れた男子大学生たち(「恋人ロボット」)などパラレルな世界の近未来で、ときめきや友情を描く全7編のSF短篇集。
著者等紹介
畑野智美[ハタノトモミ]
1979年東京都生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で第23回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
404
7つの短篇を収録。最初と最後の作品は書下ろし。間の5篇は「すばる」に掲載。相互にはゆるやかに関連する。刊行は2014年。2年後の長編『タイムマシンでは、行けない明日』の習作めいた感もある。7篇のいずれもが、タイムマシンや超能力といった要素を持つSF作品。短篇ということもあって、よく言えば軽やかだが、残念ながら『タイムマシンでは…』が持っているような深みには欠ける。ライトノベルの感覚から今一つ脱却しきれていないのだ。篇中では、しいて言えば「友達バッジ」を採るか。後の長編に繋がるのは「過去ミライ」。2024/02/09
へくとぱすかる
201
ガチのギラギラSFというより、野菜サラダのような「少しふしぎ」ストーリー。最初の「過去ミライ」がいい。自分の能力によるタイムリープものが多い中、この話のように、タイムマシンの機械そのものが登場する作品は、かえって珍しいように思える。女性が視点人物であることも、なんだか「時かけ」のよう。何より作者が女性であることが、この作品集の新鮮な感触を生んでいるのだろう。2017/08/29
❁かな❁
198
とっても可愛くて良かったです♡畑野智美さんの作品を読むのは4作目ですが私が今まで読んだ作品よりもポップでライトな感じ♬近未来のお話でSF連作短編集★タイムマシンや人間そっくりなロボットなど登場し楽しかったです!各章の題名がドラえもんの道具みたい(笑)「過去ミライ」「熱いイシ」「恋人ロボット」「惚れグスリ」が可愛くて特にお気に入り♡サトシくん頑張って‼︎各章のリンクが嬉しい♪続編『タイムマシンでは、行けない明日』も読みたいです♡装丁は西野亮廣さんの描き下ろしで素敵*ファンタジー系でほっこりできる素敵な作品♬2017/03/23
おしゃべりメガネ
192
畑野さんのSF(なのかな?)短編集で、テーマはタイムスリップや瞬間移動、時間の調整や惚れ薬?など豊富に色どりながら、微妙にリンクしていく感じがなんともいえない心地よさです。他作品に比べると、まったくテーマが違い、独特と思われるので他の作品には見えない畑野さんのまた違った一面が見られるような気がしました。既作品のようなヒューマンな雰囲気を期待していたら、すこしガッカリするかもしれませんが、本作は本作でこういう作品もアリなんだと割り切って楽しめるのではないでしょうか。やっぱり会話のテンポは素晴らしいです。2014/11/22
ひさか
136
2014年10月刊。小説すばるに発表した5編と書下ろし2編。登場人物達が別の話にも登場するという連作短編集。未来に行けるタイムマシン、アンドロイド、超常能力があるという世界設定で、しかしそれによって人々は、我々とあまり変わらない日常を送っているような世界観が語られます。そんなはずは無いと思うのですが、登場人物達があまりに日常的で、これは、ファンタジーです。不思議なインパクトがありました。2015/01/14
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