出版社内容情報
番組のレポーターとして南極に向かった作家椿三十郎は、経由地で少女から皇帝ペンギンの雛を南極に帰してほしいという依頼を受ける。悪戦苦闘の旅の果てに──。軽妙な筆致で命の尊厳を描いた感動作。
高橋 三千綱[タカハシミチツナ]
内容説明
小説家・楠三十郎は『テレビ麻布』開局30周年記念のドキュメンタリー番組のレポーターとして南極に行ってほしいとのオファーを受けた。経由地、チリのプンタアレナスで、ある少女からクリスマスプレゼントとして大きな鳥かごをもらうが、中にいたのは皇帝ペンギンの雛。どうやら南極に帰してほしいということだった。そして悪戦苦闘の旅が始まった―。
著者等紹介
高橋三千綱[タカハシミチツナ]
1948年1月5日大阪府生まれ。作家、高野三郎の長男として生まれる。高校卒業後、サンフランシスコ州立大学入学。帰国後『シスコで語ろう』を自費出版。早稲田大学へ入学するが中退し、東京スポーツ新聞社入社。1974年『退屈しのぎ』で第17回群像新人文学賞、78年『九月の空』で第79回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
113
高橋三千綱、久々です。タイトルと装丁に魅かれて読みましたが、私小説的そのまんまペンギン小説でした。ペンギンの生態が解ったのと、著者が朝日(麻布)新聞が嫌いだと判明しましたが、少し微妙な小説でした。何時か南極に行って(南極大陸で六大陸制覇)、1.5万年前の氷でウィスキーを飲んでみたいなぁ!2017/05/14
みかん🍊
88
連載を抱え忙しい作家、楠三十郎に南極でのテレビリポーターの仕事が舞い込む、経由地で知り合った少女から託された皇帝ペンギンの雛を南極の仲間の所へ戻す為に一緒に連れて行く事になる、というと動物と人間の感動物語の様だが、このテレビクルーも作家も一筋縄で行かない、しかしペンギンはかわいい、しぐさや仲間想いな所、争いを嫌い天敵の少ない過酷な南極で生きる彼等、どうかこの雛が無事生き抜いて欲しいと願う。2017/06/20
Mayumi Hoshino
22
以下辛口です、すみません。何ともぼんやりとした読後感…。主題がよく分からず、物語にうまく乗れなかった。主人公が図々しく下品に感じられ、そんな彼が一人称で語られることに感情移入できない。悪役であるところの新聞記者も、悪事が子どもじみていて嘘臭く、それも乗れなかった一因。あとはこのタイトルなら、もっと皇帝ペンギンとのふれあいを掘り下げてほしかった(というのは、皇帝ペンギンのヒナ好きの戯れ言でしょうが)。ともあれ、南極を旅行するのは予想以上に大変そうだ。2017/08/08
mika
21
表紙とタイトルに一目惚れして読んでみました。いったいいつになったらペンギン出てくんの!?もやもやしだすと、やっと皇帝ペンギンの雛「コドク」が姿を見せる。しかし何だか取り巻きが多いなぁという印象。それでもコドクが無事南極で生き抜くことが出来るのか、気になってしまって何とか読了。よちよち歩くことしかできない飛べない鳥ペンギンが、南極という極限の地で生きていく姿をおもうと、胸打つものがある…2017/05/05
黒猫
18
「人生を変えてくれたペンギン」を読み、この本も読んでみた。大変しつれいですが、全く面白くなかった。理由は、物語の骨格がぶれていて「ペンギン」という最高の素材を活かしきれていないことだと思う。そして筆者特有の汚い言葉。これがどうにも私には会わなかった。「人生を変えてくれたペンギン」はノンフィクションで実際にあった話だからあんなに感動したんだろうなあ。この本はダメ。私には無理。キツイレビューになりましたが、「ペンギン」好きな私だから敢えて厳しくいかせていただきました。2017/05/01