出版社内容情報
あの〈ウェルテル〉の華奢なイメージを覆す新訳『若きヴェルターの悩み』。そのほか『ファウスト』『親和力』の抄訳を加え、文豪ゲーテの真髄を分かりやすく集約した現代人必読の書。(解説/大宮勘一郎)
内容説明
自分ではどうしようもないものに衝き動かされ、紆余曲折を繰り返してゆく…そう、ゲーテは「面白いこと」を追い続けることは幸福に決まっている、という晴れやかな直観の人です。その先の行く手には仄暗いものが待ち受けているのだとしても、失敗など気にせず、あるいは失敗さえ面白がりながら(!)走り続けてしまうゲーテの姿が本巻から浮かび上がれば、と願ってやみません。
著者等紹介
ゲーテ,ヨハン・ヴォルフガング・フォン[ゲーテ,ヨハンヴォルフガングフォン] [Goethe,Johann Wolfgang von]
1749.8.28‐1832.3.22。ドイツの詩人、小説家、劇作家。神聖ローマ帝国のフランクフルト・アム・マインに生まれる。疾風怒涛期のドイツの文芸運動を牽引。文学のみならず、政治家、自然科学研究と幅広い分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
81
ゲーテのエッセンスを知るにはいいと思います。有名な3作品がおさめられていますが、完全な作品は『若きヴェルターの悩み』のみで他の『親和力』と『ファウスト』は第二部の抄訳になっています。ゲーテ初心者には読みやすいと思いました。ただ、個人全集としては物足りません。ウェルテルの新訳のみで成り立っている感は否めませんでした。2016/01/08
たまきら
14
だんなさんが借りてきているのを横取り。新訳で読む若きヴェルターの悩みは勢いがあって、恋に悩むティーンエイジャーにぜひお勧めしたいぐらい情熱的な仕上がりです。この本はこれを読むだけで大丈夫!というぐらい、力が入っています。他の2編はすご~く長いので、すでに何度か読んだことがある人が、好きな部分を「ここはどうなってるのかな」感覚で読むのがいいかもしれません。ていうか、私はそうしました。2016/02/25
ウイロウ
6
「主人公のアウトロー的性格を強調」し、あえて「乱暴な言葉遣い」をさせた『若きヴェルターの悩み』。読者としては違和感が拭えなかったものの、ヴェルターのテンションが振り切れる終盤に至ってこれも有りかなと思い直す。『ファウスト』は第二部のさらに抄訳。しかし大変読みやすい。『親和力』の「裏の意味」に関する詳細な訳注とは対照的に、こちらのそれはたった一頁。当然文意を摑めぬ箇所も多いが、七五調を交えたリズミカルな語りでするすると読ませる。メフィストフェレスの道化た口調は〝軽い〟悪魔像を見事に演出。ぜひ全訳してほしい。2016/03/03
読書と紅茶🥰
3
作品解説や訳注が多少助けになってくれるが、半かじりの知識ではとてもじゃないがゲーテ作品は理解できない。ので、ここは裏の隠された真意などは考えず「物語」として楽しみました。ヴェルターの貴族らしからぬオラついた口調が堅苦しいイメージの古典に一風変わった面白みが加わってると思う。2016/05/16
Visor
1
若きヴェルターの悩みだけ読んだ。『罪と罰』も『キャッチャーインザライ』も『人間失格』も、なんか結局、時を超えて人気を博すのは、俺は賢くて繊細なんだけど生きるのは下手なんだヨォ!と叫ぶ「若き〇〇」の苦悩ばっかりだなという気がするが、それは俺がそういう部分だけ拾って呼んでばっかりいるからか。 こういう生きるの下手な奴と「結局〇〇するやつが年収高い」みたいなアホみたいなビジネス本をぶつけた中間の価値観のやつが欲しいが、それって結局「ビジネスのためのリベラルアーツ」みたいな中途半端なアレか…。2024/04/04
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