出版社内容情報
南アフリカの灼熱の空の下、息子を殺された男は殺人者へと変わる…。マルティン・ベック賞、ドイツ・ミステリ大賞など、華麗な受賞歴を誇る実力派による、傑作ミステリ三部作の第一作ついに登場!
内容説明
南アフリカの灼熱の空の下、ひとりの男が息子を殺される。それは、“アルテミス”と呼ばれる殺人者が誕生した瞬間でもあった。犯罪者を標的にした連続殺人の捜査にあたるのは、飲酒問題に苦悩する刑事。一方、幼子を抱えた若い娼婦が、牧師に驚くべき告白をする…。様々な人生模様が複雑に絡み合う時、壮大なるミステリの構図が浮かび上がる。実力派が放つ「マルティン・ベック賞」に輝く傑作!
著者等紹介
マイヤー,デオン[マイヤー,デオン] [Meyer,Deon]
1958年、南アフリカ共和国西ケープ州生まれ。兵役の後、ポチェフストルーム大学およびフリーステイト大学で学ぶ。新聞記者、コピーライターなどを経て、1994年に小説家デビュー。著者の作品は英・独・仏語など20数ヵ国語に翻訳され、高い評価を得ている。『デビルズ・ピーク』でマルティン・ベック賞を受賞したほか、数々の華麗な受賞歴を誇る世界注目の実力派(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
17
海外小説で久しぶりにエンタメの傑作に出会いました。連続殺人犯、アル中の警察、牧師に自分の話をする元娼婦のストーリーがそれぞれ進行し、絡み合います。2022/10/20
tom
14
アル中の刑事、息子を殺された元傭兵、偽善に満ちた家庭で育った娼婦、この三人が絡み合いながら、ストーリーは進む。南アフリカという、私には見知らぬ国。ここに現れる風景が現実のものかどうかは分からないけれど、ミステリーを読む楽しさは、見知らぬ国の姿をかいま見せてくれること。気になる登場人物は、アル中の刑事。妻に追い出されてしまい、ほとんど絶望の一歩手前で踏みとどまりながら、自己分析を始めるというところが、なかなかユニーク。いろいろなところで楽しめた一冊でした。2015/01/10
わたなべよしお
11
デオン・メイヤー(マイヤー)は気に入っていて、これで三作目だが、今回はイマイチよく分からなかった。そこそこ読ませるし、面白いけど、やっぱりソコソコ止まりだった。登場人物の3人が出会うのも、特に劇的でもないし、その後の展開も驚くようなものでもなかった。2014/11/29
Panzer Leader
10
デオン・マイヤーの三作目だが実際の出版は本作の方が最初。「追跡者たち」と同じ様に三人の主要人物たちの視点で物語が進んで行く。前半は小刻みなエピソードの積み上げ、後半は一人の人物をじっくり描くことで三者が交わっていく様子が語られていく。ちょっとほろ苦いラストだけれども、あまり馴染みのない南アフリカの社会・実情・現状をうかがい知る事もできる快作だと思う。 2015/04/24
sosking
6
息子を殺された男、娼婦、アル中の刑事の3人の視点で物語が始まる。中盤からそれぞれの話が繋がって行くのだが、630頁を一気読みできた。南アフリカの事は余り知らないが、レイプや児童虐待の被害件数が多いとのこと。自分の娘や子供が被害に遭って、その犯人が正当に罰せられなかったら、そりゃぁ、どうにかしたくなるのが人情だよね。刑事と娘の関係の描写もいいね。2015/07/26