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集英社文庫
グランド・マザーズ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 453p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087605792
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

幼い頃から双子の姉妹のように育ったロズとリル。二人は今、各々息子と孫娘を連れて、光る海の見えるレストランのテラスで、昼下がりの幸福なひと時を過ごしている。だがこの何気ない家族の風景にはある秘密が隠されていた…。互いに相手の息子との恋(?)に落ちた二人の女性の心の葛藤を描いた表題作の他に、「ヴィクトリアの運命」、「最後の賢者」、「愛の結晶」の三つの作品を収録した傑作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

44
映像化作品で興味を持ち初レッシング。「THE GRAND MOTHERS」は映画では「TWO MOTHERS」と若返り、邦題では「美しい絵の崩壊」と情緒的になる。収められた4編を通して感じるのは、何かしらの居心地の悪さと人生の短さ。読後には自らの来し方行く末にも思いを馳せてしまいました。これも小説の醍醐味か。2016/01/31

あつ子🐈‍⬛

17
積ん読消化。なんとノーベル文学賞作家さんと知らずに読んだ(!)のですが、とても良かったです。4篇からなる短篇集ですが、姉妹のように育ったふたりの女性がお互いの息子とそれぞれ恋に落ちる表題作と、第二次世界大戦のさなか、人妻との刹那的な恋を描いた『愛の結晶』がとりわけ好き。いずれもままならない人生や、ゆるやかで残酷な時の流れが目に見えるようでした。『愛の結晶』は映画化しても面白そう。きっと描き様によっては『イギリス人の患者』みたいになって素敵にちがいない…!などと空想も楽しい一篇なのです。2025/04/09

tona

11
レッシングは微妙な男女関係を描くのも上手いが、女同士の関係を書かせてもピカイチ。表題の「グランドマザーズ」は、コレットの『シェリ』を思わせる2組の母子をめぐる美しい小説。個人的には、「ヴィクトリアの運命」がお気に入り。"進歩的な"上流中産階級の一家に憧れながら、"Know your place."と言わんばかりの社会の中で、一応もがいてみるも結局這い上がれない。せめて、色の薄い娘だけは…といった具合に矛盾を抱えながら分裂した英国社会が、非常に巧妙に描かれている短篇。2014/05/29

sabosashi

9
 今回も読むのに異常に時間がかかった。よっつの長い短篇、あるいは中篇小説とでもいえばいいのだが、その一つひとつに時間の長さが組み込まれていて、あっさり読み過ごしては申し訳ない気持ちでいっぱい(単なる言い訳だが)。 (1)「グランド・マザー」母子関係、というより母系家族のことを綿密に紡ぎ出す。母子関係というと通常の心理学が描く典型的なもののひとつ。でもそんなパターンをあっさりと乗り越え、人間関係の可能性へと旅だっていく(または閉塞していく、どちらも大差はないかもしれない)2021/12/13

りつこ

6
表題作がすごく好きだ。ショッキングでどろどろした内容だけれど、読後感はどこか爽やか。きっと作者が彼女たちを肯定しているからだと思う。2009/09/14

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