内容説明
「おばちゃま」シリーズで大人気の作家ギルマンは、かつて、幼い子供たち二人を抱えて離婚した。夢中で子育てをおえた後、一人でカナダの海辺の町に移り住む。「文明症候群とか社会恐怖症とか」から恢復したかった。おんぼろの家を買って改造し、土地を耕し、収穫し、執筆する日々。本書は厳しい自然のなかで、孤独を恐れず、一人で生きる勇気をもちたいと願った彼女の初の自伝である。
目次
新たな国
始まり
ノヴァスコシアの村
天候
時間
ロブスター漁師たち
孤独
人々
解き放つ
到着と出発、そして変化
男と女
目に見えないもの、そして憶測
簡素に生きる
内省
庭と夏
新たな国
著者等紹介
ギルマン,ドロシー[ギルマン,ドロシー][Gilman Butters,Dorothy]
アメリカのニュージャージー州に生まれる。9歳のときから小説を書きはじめ、児童小説から転向してミセス・ポリファックスを主人公にした『おばちゃまシリーズ』が、次々と大ベストセラーになる。また若い女性や少年を主人公にした作品や、マダム・カリツカを主人公にした『伯爵夫人シリーズ』も大好評を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
25
作者の唯一のエッセイ集。簡素で読みやすいこの作家さんが、離婚してカナダの海辺の田舎で自家菜園をしながらひとり暮らしをする。その時考えたいろいろな事。結婚しないと幸せは完結しないと当然のように思っている人々について。様々な家事育児雑用に追われる妻を「あいつはヒマだから」と言う夫たち。無意識に人に悪意を向ける人たち。そして、いかに自尊心を持ち自分の怒りや怯えに向き合うか。この作家さんはやはり好きだ。2024/09/23
shiman
14
70年代にピストルを持ち出すところまでいったことについては触れられていないが、そのことに巻き込まれているのか乗り越えていることに勇気を貰っているのか・・・。読み込まれている書から引用が多くされている。 「よけいなものを捨てることによって、豊かに満ちるための場所を空けるのだ」2019/12/03
てくてく
3
おばあちゃまシリーズを前に読んだことがあって、その著者の自伝的なものだと読んで手に取った。アメリカ人の著者が、離婚、子供の自立をへて、カナダの漁村で一人暮らしを始めてからのことが描かれている。未だ女性の社会進出が厳しかった時代を感じた。2016/02/23
まーちん
2
子育てを終えた著者の田舎暮らしエッセイ。アメリカからカナダへの国を越えた移住なのに思ったより簡単そうでビックリ。奮闘記というより日々の思考が主で、1人で生きる女が差別された時代の面倒くささが垣間見える。2017/07/22
ning
0
著者は子育てから手が離れてから、一人ノヴァスコシアに移り住むのだが…。その生活はすごくエコロジー。70年代から時代を先取りしていたんだね。そして一時流行った「断捨離」の思想もすでに実践している。物を極力少なくするという習慣は今の時代こそ評価されることもあるけれど、当時のアメリカでは奇異なことだったんだろうな。2015/09/11