内容説明
獣医に日曜はない。1年365日、1週7日、毎日休みなしで現場に駆けつけるハードな仕事だ。だが、そこにはささやかな楽しみもある。子羊の誕生が春の到来を告げ、豚の難産で一喜一憂し、ときには犬から豪華パーティへの招待状が舞い込み、窒息しかけた山羊とクリスマスを迎えるのだ。英国ヨークシャーを舞台に、心温まる話がたっぷり詰まった感動作ばかり全10篇を収録。
目次
1 みなしご羊ハーバート
2 馬の口からもらった教訓
3 トリッキー・ウーのご招待
4 愛の使者スージー
5 幸せものハリー
6 夢想家ミック
7 ブラッサム、家に帰る
8 マートルに悪いところなし
9 斑点ひとつふたつの悩み
10 クリスマス、クリスマス
著者等紹介
ヘリオット,ジェイムズ[ヘリオット,ジェイムズ][Herriot,James]
1916年英国スコットランドのグラスゴー生まれ。国立獣医大学卒業後、ヨークシャーで獣医になる。50代から、獣医としての豊富な体験をもとに、動物への愛情あふれる作品を多数執筆。そのほとんどがベストセラーとなり、テレビシリーズ化された
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感想・レビュー
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たまきら
31
作者の息子さんの前書きから始まる、ヘリオット先生シリーズの中から「ヨークシャー」をキーワードに再編纂された本です。…観光誘致?と苦笑いしつつ、懐かしい話を楽しみました。自分が読んだものと訳が微妙に違うので、そこもまた楽しい。酔っては真夜中に愛犬の診療を懇願する困った、けれども愛すべき男子。よぼよぼの牝牛と飼い主のお話。そうそう、逆さまつげの犬の話あったなあ。切ってしまって目が見えなくなる話もあった気がするなあ…。2019/08/20
たみ
10
イギリスの獣医さんによる、実話と創作を合体させた心温まる短編10話。どの話もほっこり。農場の羊や牛もみていらっしゃる先生で、泥んこになりながらお産を手伝ったり、農場主に困らされたり。読んでると顔がゆるむ。中に添えられている水彩画風の動物たちや風景の絵も素敵。最終話の[クリスマス、クリスマス]もじ~んとしました。動物と遊びたい気持ちが満たされたようなますます欠乏してきたような…ああ~っワンコと遊びたい!羊をモフモフしたい!本文でも触れられてたけど、ヤギの鳴き声って人間の声みたいですよね。2014/12/10
扉のこちら側
9
シリーズ別巻で既読のものを含む10編の物語。息子によるまえがきもよかった。ヘリオット先生やシーグフリード達の本名も明らかに…2012/05/24
yamakujira
4
日本が昭和の頃、イギリスの田園地帯で奮闘した獣医を主人公にして、日々の苦労と喜びをえがく10話の物語。ペットである犬の診察もあるけれど、多くが牛や馬や山羊や豚といった哺乳類の家畜で、そもそも獣医とは畜産業に付属することがわかる。だからすべて往診で、昼夜の区別なく呼び出され、牧場や畜舎に寝転んだり、泥や糞や涎にまみれて奮闘する獣医の仕事は決して羨ましくないけれど、実体験にもとづく話ばかりだなんて敬服する。時には横暴な農夫に怒り、深夜の依頼を嘆きながらも、動物を見るまなざしは獣医の鑑だなぁ。 (★★★☆☆)2020/02/24
shibatay
3
ヘリオット先生の本はいつでも手にとれる本棚にある。なんとなく気持ちがすさんでいる時に読み返すだけで、心が暖まる。2008/11/12
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