感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
25
禁錮10年の刑でシベリアでの強制労働。マイナス49度での森林の伐採。思いがけず資格が無いのに看護師として働く。そこで死んでゆく人々。かつて自分をここに送り込んだ人の死も見る。さながらアウシュビッツである。作者の刑期明けでこの続編は終わる。この先でもまだスターリンは死んでおらず作者の苦行は続くようである。どうしようかな。読もうかな。2020/04/08
twinsun
5
誠実さと愛とスキルが幸福と禍を交互に引き寄せる。まさに食われてしまう危険と隣り合わせで硬直した行政による数合わせの厳格さや狡猾さや裏切りと同居する人の好さから保護されることもある摩訶不思議。イデオロギーと個人崇拝・官僚主義が招いた大粛清と強制収容所の殺戮と破壊の流れに飲み込まれてしまった一滴の水や虫の視点のような一人の女性の眼から運命をともにする登場人物200人以上の交差の物語を通じて人間の強さ・弱さがこれでもかと綴れていく。なんという時代と記録!こうした本はアンネのようには愛されないだろうが。2024/05/29
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- 和書
- 待ち遠しい 毎日文庫