内容説明
イギリス侵攻の失敗により東へ目を転じたヒトラーは、バルバロッサ作戦を発動、ドイツとソ連は交戦状態にはいった。ウクライナ、コーカサスそして“共産主義の本拠地”モスクワめざし驀進するドイツ機甲師団の前に立ちはだかるのは、スターリン率いるソ連軍300万と、ナポレオンをも退けた“ロシアの冬将軍”だった…。ピューリッツァー賞受賞ノンフィクション作家が描く、アドルフ・ヒトラー伝、その野望の終焉と破滅。
目次
第8部 第4の騎士(「陰府これに従う」;内輪の人々;「地の獣とをもて」)
第9部 奈落の底へ(陸軍のヒトラー暗殺未遂事件;バルジの戦い;「今度こそわれわれは真夜中の5分前に降伏してはならない」;真夜中5分過ぎ、あるいは「船長もまたこの船と運命をともにする」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
筑紫の國造
6
大著、『アドルフ・ヒトラー』完結編。東部戦線では赤軍に押し込まれ、盟友ムッソリーニは失脚、ヒトラー本人も暗殺未遂事件に遭う。悪化する状況と共に精神も肉体も蝕まれていき、それがさらに状況を悪化させるという負のスパイラルに陥る様が克明に描かれる。自らの責任を絶対に認めず、ホロコーストを「功績」と最後まで誇るあたり、そこのしれない深淵を窺わせる。知れば知るほどその闇は深く、だからこそ今でも新しい研究が次々と出てきているのだろう。本書もその中の一つであると共に、学問的には色々と正すべき部分があるという。2022/10/11
あっちゃん
0
ヒトラーも人間だったんだなと共感出来る部分もあった。2003/02/22
かおるん
0
訳者の言葉がこの本の内容をよく語っている。 この本はいかなる命題も持たず、多くの人へのインタビューから得られた主観的な内容をたくさん取り入れている。そしてまるで物語のように面白く出来上がっている、文学的なヒトラー本。2012/08/03
偽教授
0
全部読むのは大変だが、読むだけの価値はある。2012/02/07
ゴキ子
0
幾度もの暗殺の危機をくぐり抜けた末の破滅は、悪魔に魅入られていたとしか思えない。それにしても印象深いのは、ヒトラーの理想に向かう頑ななまでの姿勢と強固な思想。そして行動力。翻ってこの国の政治を思わずにはいられない。2008/08/03