内容説明
はずかしがり屋の聖歌隊の少年、長じて画家になることを夢見たナイーヴな青年が、20世紀最大の悪魔に変わったのはなぜか?出生、ウィーンでの青年期、第一次大戦での負傷、ナチス結党…200人以上に及ぶインタヴュー、公刊・未公刊の日記・書簡・公式文書などさまざまな資料をもとに克明に描く、アドルフ・ヒトラー伝の決定版。
目次
プロローグ 背後からの一突き
第1部 幻視者(根は深い;「わが人生の学校」;「狂気と感激に圧倒されて」)
第2部 はじめに言葉ありき(党の誕生;「かくも論理的かつ狂信的な男」;「ビヤホール・プッチ」)
第3部 ある精神の形成(ランツベルクの獄中にて;『ヒトラーの秘密の書』)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
筑紫の國造
6
著名なノンフィクション作家による、ヒトラー伝の大著。文字通り膨大な資料や証言に依拠し、幼少期からその死までを詳細に描き尽くした一冊と言える。第一巻はヒトラーの誕生とさまざまな挫折から、ナチ党の結成・拡大を描き、副題通り「ヒトラーという人間がどう作られてきたか」を練達の筆致で描き出していく。おそらく最も有名なヒトラーの評伝であると思うが、何せ古いものでもあり、現在では学問的に否定されてきた部分も少なくない。怪しい解釈は退けつつ、「ヒトラーの生涯を知る」という目的で読み進めるのがいいだろう。2022/07/29
ゴキ子
1
生い立ちから党を掌握するまで。時代がカリスマを求めていた。段々と強固になっていく思想の変遷が興味深い。2008/07/14
偽教授
0
重要な研究書なんだけど、ややロマンチシズムに走りすぎ、ヒトラー贔屓に偏りすぎな感が鼻につく。2011/11/09
bassai718
0
前々から興味のあった独裁者の評伝。第1巻は青年時代からミュンヘン一期の失敗辺りまで。思った以上に面白くすいすい読めた。ナチ党初期の幹部などあまり詳しくなかったが謎めいた人物ディートリヒ・エッカートの不気味さが印象的。2021/01/11