内容説明
“生きものは、いったい何を考えているのかなあ、と思うことがよくある。ことばは喋れないにしろ、少なくとも私たちが飼っていた生きものは、非常に感情豊かで、ペットなんて生やさしいものではなくネコやネズミやインコの格好をした、人間であった。”生き物の仕種や表情を生き生きととらえ、家族の絆や細やかな愛を横糸に描くユーモア・エッセイ。
目次
金魚のよしこちゃんの話
手のり文鳥のチビの話
十姉妹のビンタちゃんの話
インコのピーコちゃんの話
犬のピーター君の話
初代トラちゃんの話
二代目トラちゃんの話
いたずら子ネコたちの話
モルモットのハム子ちゃんの話
ハツカネズミのモンジロウの話
ハツカネズミの大所帯の話
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
125
群さんの家族が猫、ネズミ、金魚、小鳥、犬と生活を共にする話。どの話も面白く声に出して笑うこともしばしば。特にトラちゃんのお腹の毛で作ったかつらをインコのピーコちゃんの頭に付けるところは笑いが止まらなかった。また動物の描写が的確で、自分が子供の頃に飼っていた文鳥、インコ、ハムスター、金魚と遊んだことを思い出してしまった。自分も小鳥にアルコールを飲ませて酔わせて遊んだこともあったが、ここでも同じように遊んでいるのも笑えた。2021/02/07
糸車
54
最初に読んだのがいつだったか覚えていない。たぶん、20年くらい前。亡くなった父はわたしたちが子どもの頃養豚をしていて、「生計を立てるために生きものの命をもらっているのに、家で何事もないような顔をして可愛がるだけのペットを飼うことは出来ない」と言っていた。だから群さんちのようにペットに囲まれた生活は別世界のように思えた。今読み返してみると、カツラを装着させられたピーコちゃんは文鳥と思っていたけどインコだった。一緒に暮していれば情が移る。頑なにペットを飼わないと決心していた父の気持ちを考えるとちょっと切ない。2015/09/06
saga
52
初読みの著者。猫エッセイだと思って購入したら、ミニ動物王国だった。軽妙な語り口で金魚、鳥、犬、猫、齧歯目と過ごす日々が綴られ、読み手も楽しくなってくる。自分より一回りほど年長の著者の子ども時代は、猫達にも生きやすい時代だったのだろう。群家の誰もが生き物を受け入れることを是としていることと、群家の家長である母の博愛主義的な動物保護精神が素晴らしい。彼女が生まれた家も同じように生き物を慈しむ家だったろうことが、本書を読んで垣間見えるのも良い。2015/02/20
秋製
41
読友さんからのオススメ。群さんのエッセイは面白い!ちょっと衝撃的な話もあったけど、それは普段知らないだけで、結構あるのだろうと思うとそうゆう習性があると知っていてもやはり厳しいな・・・と思ってしまった。2013/10/11
楽駿@新潮部
35
【にゃんこまつり2022おまけ】品川図書館本。群氏の猫好きは、よく解っていたけれど、この作品を読んでこの考えを訂正した。多分、大概の生き物すべてがお好きなのでは。金魚のよしこちゃんから始まっての、全ての生き物のその生き方をなんて、楽しく生き生き描いてくれているのかと。母猫の子供へのしつけくらいは、通い猫のおかげで、実際に目にしたことはあるが、モルモットや、ハツカネズミ、十姉妹等々、今まさに自分の目で見ているようなリアル感。そしておかしみ。とても楽しく読了。動物好きな方には、ぜひ、お薦め!2022/02/28




