感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiisuke
32
初めての作家さん。和柄の暖簾のような表紙に惹かれて図書館でなんとなく手にとりました。 王朝時代の物語り。優しく美しい綾の姫と、その姉、呉羽姫。仲のよかった姉妹が一人の貴公子をめぐってさまざまな想いを抱く様子が流麗な筆致で描かれます。登場人物の個性がよくあらわされ、各々に至らない部分も持ちながらもそれぞれの突出した良い面や底しれぬやさしさを感じて救われるようなお話でした。うまく言えませんがこのような時代の物語りの雰囲気が私はどうも好きなような気がします。2015/08/14
りゅっく
3
今でこそ多いが近代源氏物語の翻訳の先駆け、円地文子の夜の寝覚です。とりあえず源氏物語を読みつくした後は文学史に名のある作品を片っ端から現代語訳で読まずにはいられない。当時の女性たちの倫理観を感じつつも平安ロマンにうっとりしてしまう少女漫画を読んでるような気分になる作品。1992/12/01