内容説明
紀元前三世紀、秦の始皇帝の命を受け不老不死の薬を求めて東の蓬莱に向かった瑯邪国の徐福。それから二千年後、革命途中の孫文は神戸に立ち寄り「日本は覇道をとるのか王道をとるのか」と日本国民に問いかけた。古代から近代までの日中往還の歴史を語る第一部。他に諸葛孔明、ジンギス汗などを素材にした「中国歴史拾遺」、李白、杜甫ほかの「中国詩人列伝」を収録。
目次
第1部 日中往還(東海扶桑の国―伝説世界の人影;帰帆但だ風に信す―遣唐船が運んだ人々;入唐求法の旅―海を越えた僧侶たち ほか)
第2部 中国歴史拾遺(漢帝国の西域経営;諸葛孔明の時代と舞台;ジンギス汗の拓いた時代;歴史の交差路シルクロード)
第3部 中国詩人列伝(岑参―西域をうたった詩人;李白―天空を翔ける詩人;杜/甫―黄河っ子の遍歴 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メイロング
5
軽いエッセイと見せかけて中身はズシリ。特に第三部は漢詩の概論的予習が必要。三国志などの素養があれば、平易な語り口も手伝ってグイグイいける。でも一番かっこいいのは「解題迎春」だと思う。第一部、中国サイドから見た日本も長いスパンでおもしろい。2015/02/08
PINGE
1
1部日中往還で寧波の話、2部歴史拾遺でモンゴルやシルクロード、3部詩人列伝。1と2にちょいちょい興味深い部分、3は難しかった。2017/04/20
tama
0
図書館本 90年代の本。おなじみの内容だが、日中交流史で、長いこと続いていた幸せな交流が明治維新以後不幸な関係になっており、悲しいことだ、と説いておられ、今、この文章はとても重要な意味を持つと思った。2013/08/22