内容説明
構成した画家も描かれた時期もほぼ同じとされるキトラと高松塚古墳壁画の天文図はなぜ大きく異なるのか。最新の調査と中国考古学から古代人の思いに迫る!
目次
1 キトラ・高松塚古墳はどのようにつくられたか(谷を景観域とするキトラ・高松塚古墳;最新の発掘技術で判明した構築法;飛鳥時代の葬儀風景)
2 描こうとした壁画世界(壁画の構成と保存状況;昇りくる日と沈みゆく月;四神図の徹底比較;十二支像の守り方)
3 飛鳥美人たちはなぜ描かれたか(威儀を示す男たち;語りかける女たち)
4 天文図はなぜ描かれたか(壁画と天文図の描き方;キトラ天文図は正確か)
5 上下する天文(高松塚古墳の天文図;上下する天文)
著者等紹介
来村多加史[キタムラタカシ]
阪南大学国際観光学部教授。1958年生まれ。関西大学大学院博士後期課程修了。1985年から88年まで北京大学考古系に留学。博士(文学)。専門は中国考古学、日中文化史、中国軍事史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かつてキトラ古墳の測量調査に参加した著者が、共に奈良にある高松塚古墳との両石室の天文図について、「画家の目線」で見解を語る本。両石室は立地や墳丘、石室の構築法や、壁画の描き方や構成においては酷似するが、天井の構造が違い、天文図も異なる。中国考古学や天文学の知識を踏まえると、キトラ古墳は天文への深い造詣がありながら埋葬者を敬う自在な変形、高松塚古墳は真っ平らな天井面を生かす四角い天文の美しいデザイン性が特徴的。画家が図それぞれに別の思いを込めたことが読み取れる。天に昇天する上と出行し前に押し出す下の妙。2019/09/27
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