内容説明
神道無念流を極め、水戸勤王派の志士300人を束ねながらも放蕩無頼の日々を送っていた芹沢鴨は、文久3年、浪士隊に加わって上洛し、新撰組を結成、局長首座に収まった。だが確固たる信念もなく、組織のことを考えずに自分の流儀を押し通す鴨の姿に、近藤勇らはついに非情な決断を下す―。「人斬り弥介シリーズ」の著者が描く幕末剣鬼伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
54
タイトルを二度見して購入した本。芹沢鴨!これは絶対に読まなければならないという謎の使命感に駆られて読了。新選組初代筆頭局長。局長という立場にありながら、その評判は散々で近藤勇とは大違い。女癖が悪く、乱暴粗暴、酒乱でめっぽう剣が強い水戸の天狗党崩れ…と囁かれる。そう、これが新選組小説に登場する芹沢鴨。滅多なことでは好いようには描かれていない。新選組の厄介者、土方歳三に闇討ち掛けられても仕方のない存在。本当に?芹沢鴨から見た尊王攘夷運動に荒れる世を描いたこの小説。豪胆で女と剣に真っ直ぐな剣客。新生芹沢新鮮だ。2023/10/20
Die-Go
38
新撰組局長・芹沢鴨の生涯を峰隆一郎の筆で描く。ぶっちゃけワンパターンな性描写が多すぎて、食傷気味になってしまった。しかも、どれも手込めにしてて、男性にとって歪んだ都合のよい女性ばかりが描かれている。これはお勧めしない。峰さんってこんな筆致だったっけ?★☆☆☆☆2017/08/16
ウッチー
11
前半は京へ出立前のやりたい放題の芹沢であり、人を斬るシーンと濡れ場が度々あるが、特に人斬りはマンガの様な光景であったが、それほど凄かったと思う事に。後半は芹沢目線の新撰組が斬新であった。 新見錦との関係性は、暗殺される前、深くて良いストーリーでした。2024/02/05
小雀✡ずーっと積読減強化月……
8
傍若無人で我儘な暴れん坊で描かれる事の多い芹沢鴨の人生を知りたくて選んだ作品。「嫌い・恐ろしい」と言う隊士や町人が多い中、子供に好かれたり「優しい」「善人」と言う隊士がいるのも事実。この物語の鴨は、強くて優しくて、筋の通らない事が大嫌いな人。だから敵も多いし、要らぬ疑惑を持たれてしまう。女好き説があるので女性関係の文章が多数出てきます。ぶっちゃけ要らない気がしますが、ソレ以外は大変魅力的に描かれていて良かったです。 出来れば、「本庄宿」「角屋」「力士」など鴨が主役の事件をもう少し丁寧に描いてほしかった。2014/08/12
しろろぞ
3
新見に対して友情のような信頼のような感情を抱いている芹沢が新鮮だったが、新見が切腹した直後に新見の女を口説くのは流石と言って良いのか迷うところ。女性遍歴と浪士を斬りまくるのは想像以上だった。ただ妙にコミカルな場面もあって悪役なのに憎めない芹沢鴨といったところ。思想に対しても冷めていたり真面目に向き合っているのが新鮮だった。http://memoria1.blog.fc2.com/blog-entry-102.html2013/09/24