内容説明
北越の要衝長岡城が、西軍に攻略された。それは長岡藩総督河井継之助にとって、最大の恥辱であり、家名を汚すものであった。継之助は城奪還を目指し、用意周到な奪回作戦を練り上げた。七月二十四日、長岡軍の決死の夜襲が成功して長岡は一時、西軍から解放される。しかし、それも束の間、西軍の反攻が始まり継之助に不運にも流れ弾があたる。吉川英次文学賞受賞作品。
感想・レビュー
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東森久利斗
3
爽快、乾坤一擲な長岡城の奪還。官軍の帯ひろ裸の素足で命からがらの遁走、周章狼狽な醜態に胸がすく思い、快哉をあげる。新発田の内応。硝煙、炎、爆発音、血潮、雨、雨、雨、五感を刺激する臨場感。敗者の生きざま、言い訳を通して、近代日本が如何なる犠牲のうえに成立し、負債として現代に受け継がれているか。膨大な文献、史書を通してその実相に迫る。2024/01/17
Takao Umetsu
0
長岡の河井継之助も亡くなり、西軍が中山峠を通り会津に入ってくる。2016/10/09
ふとし
0
北越戦争に東軍は敗れ、河井継之助は不運な銃弾に倒れる。長岡が敗れ、いよいよ会津に戦火が及ぶ。白虎隊の話はもはや涙なしでは読んでいられない。戦争に駆り出される十代の少年たちというのは、あまりにも純粋にすぎる。2013/01/26
k_n_a
0
戊辰戦争の長岡における推移が描かれる。河井継之助、山縣有朋など後世に名を残した人々も登場。2023/11/13