内容説明
北越の要衝長岡城が、西軍に攻略された。それは長岡藩総督河井継之助にとって、最大の恥辱であり、家名を汚すものであった。継之助は城奪還を目指し、用意周到な奪回作戦を練り上げた。七月二十四日、長岡軍の決死の夜襲が成功して長岡は一時、西軍から解放される。しかし、それも束の間、西軍の反攻が始まり継之助に不運にも流れ弾があたる。吉川英次文学賞受賞作品。
感想・レビュー
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レアル
52
物語も北越戦争まで進んだ。前巻から殆ど主役級の長岡藩筆頭家老でありながら越後の東軍総督でもある河井継之助の戦略が発揮され、長岡城の攻防が続くが、継之助の死と共にその運命も陰りを見え始めた。薩長は会津を最後の仇とばかりに東上してきている。会津側も長岡落城という結果を知り、次は我が藩とばかりに覚悟を決め始めている。まだ幼さを残す白虎隊も出陣した。この白虎隊の運命や会津の結末を知りながらも、物語の行く末が気になり何だか気持ちが高ぶりドキドキしてきた。続きが気になるから最終巻まで残り2巻を一気に読んじゃう!2018/05/08
東森久利斗
3
爽快、乾坤一擲な長岡城の奪還。官軍の帯ひろ裸の素足で命からがらの遁走、周章狼狽な醜態に胸がすく思い、快哉をあげる。新発田の内応。硝煙、炎、爆発音、血潮、雨、雨、雨、五感を刺激する臨場感。敗者の生きざま、言い訳を通して、近代日本が如何なる犠牲のうえに成立し、負債として現代に受け継がれているか。膨大な文献、史書を通してその実相に迫る。2024/01/17
Takao Umetsu
0
長岡の河井継之助も亡くなり、西軍が中山峠を通り会津に入ってくる。2016/10/09
ふとし
0
北越戦争に東軍は敗れ、河井継之助は不運な銃弾に倒れる。長岡が敗れ、いよいよ会津に戦火が及ぶ。白虎隊の話はもはや涙なしでは読んでいられない。戦争に駆り出される十代の少年たちというのは、あまりにも純粋にすぎる。2013/01/26
k_n_a
0
戊辰戦争の長岡における推移が描かれる。河井継之助、山縣有朋など後世に名を残した人々も登場。2023/11/13