内容説明
はやりに流されず自分の舌だけを唯一の武器に、全国各地を飛び歩き「この逸品」を選び出す。みそ・塩・醤油はいうにおよばず大根・ソーメン・梅干しといった基礎食品からクチコ・からすみ、はては沖縄でしか食えないスクにいたるまで、本物に対する飽くなき探究とそれを生み出す人々への敬意がこめられた作品。奥行きの深い文化論としてもおおいに美味しい一冊。
目次
野生の味―ワサビ
蟻の一穴―醤油
二束三文の魚から―からすみ
野武士の味―ハバ
古代ローマの味―魚汁
紙一枚の甘さ―塩
女の切所が味の切所―ウニ
大門、土俗の味―ソーメン
人間にやさしい―大根
たかがソバ―ソバ〔ほか〕