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出版社内容情報
「わたしが呼吸する空気のなかで流れてゆくこの瞬間たち、それらは花火のように空間のなかで弾じけて消える。わたしは時間の原子を自分のものにしたい。そして、本性からしてわたしには禁じられている現在を、捉えてみたい。現在は逃れてゆき、わたしは今の瞬間においてつねに現在である。」(本文より)
〈わたし〉から〈あなた〉へ、思考の背後に潜むものを求める言葉の奇蹟。
いまこの瞬間の生を描くという不可能な試みが生み出した、比類なきイメージの奔流。ウルフ、マンスフィールドと並ぶ世界文学の巨匠リスペクトルの極北にして頂点となる作品が、ついに刊行。
内容説明
これは本ではない。本はこんなふうに書くものではないから。“わたし”から“あなた”へ、思考の背後に潜むものを求める言葉の奇蹟。「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」と評される日本翻訳大賞受賞『星の時』の著者による世界文学の極点。
著者等紹介
リスペクトル,クラリッセ[リスペクトル,クラリッセ] [Lispector,Clarice]
1920年、ウクライナ生まれ。生後間もなくブラジルへ移住。1944年にデビュー作となる『Perto do Cora〓〓o Selvagem(野生の心の近くに)』でグラッサ・アラーニャ賞を受賞。夫の転勤に伴いイタリア、スイス、イギリス、アメリカ等で16年間の居留生活ののち、1959年にリオデジャネイロに戻る。1966年に寝煙草による火災から生死をさまよう火傷を負い、後遺症が残る。1977年死去。邦訳のある著書に『星の時』(福嶋伸洋訳、2021年、河出書房新社、第8回日本翻訳大賞受賞)など
福嶋伸洋[フクシマノブヒロ]
1978年、新潟県生まれ。共立女子大学文芸学部教授。訳書に、クラリッセ・リスペクトル『星の時』(第8回日本翻訳大賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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